名古屋の富貴蘭の研究会で競り落とした、ラン科 Orchidaceae、ヒスイラン属 ( バンダ属 ) Vanda に属する、フウラン ( 風蘭 ) の古典園芸植物で、富貴蘭の「春及殿」の花です。

 

段咲きの奇形花で、高知県原産です。

 

 

フウランは、

茨城県以南の本州、四国、九州 ( 南西諸島を含む ) に分布しています。

 

樹幹等に着生しています。

 

国外では、

中国 ( 浙江省、福建省、江西省、湖北省、四川省、甘粛省 )、朝鮮半島南部に分布しています。

 

学名は、

Vanda  falcata  です。

 

尚、

奄美大島産は、アマミフウランと呼んで区別していますが、

学名は変らず、Vanda  falcata です。

 

シノニムは、

Aerides  thunbergii
Angorchis  falcata
Angraecopsis  falcata
Angraecum  falcatum
Finetia  falcata
Holcoglossum  falcatum
Limodorum  falcatum

Neofinetia  falcata ・・・直近の学名

Nipponorchis  falcata
Oeceoclades  falcata
Orchis  falcata

Vanda pygmaea

が、あります。

 

学名は、WFO Plant List 、kew に従いました。

 

国内、中国資料など、

Neofinetia  falcata を採用した資料もあります。

( 学名の先取権の原則の例外処置を採用 ? ) 

 

中国名は、风兰です。

 

 

 

 

2011年5月22日に落札した株です。

たくさん、咲いてくれました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・kulifの家にて

 

 

上から見ました。

 

 

拡大しました。

 

 

花の拡大です。

春及殿は、段咲きの奇形花です。

正常花の富貴蘭は、

逆Y字形になった3枚の萼片と、Y字形になった3枚の花弁があり、Y字の下の花弁が唇弁となり、この唇弁の後側は、長く伸びた距になります。

そして、

真ん中にある、緑色の蕊柱( ずいちゅう ) は、雄蕊と雌蕊が一体になった器官で、種子を作ります。

 

春及殿は、

蕊柱が、この役目を果たさず、第2の花になってしまいます。( 段咲き )

第2の花以降も同様な性質のため、春及殿には、種子ができません。

 

 

上から見ました。

 

 

 

横側です。

 

 

 

新しい根の先は、泥根です。

 

 

葉の拡大です。