愛知県の更新世の腔腸動物、単体サンゴで、六放サンゴ亜綱 Hexacorallia、イシサンゴ目 Scleractinia のチョウジガイ 科 Caryphylliidae、ムシノスチョウジガイ属 

Heterocyathus に属する可動サンゴで、ムシノスチョウジガイの化石です。

 

また、

小さな穴が開いているため、ムシノスチョウジガイと共生関係にある、タテホシムシ属 Aspidosiphon sp. の生痕化石にもなっているようです。

 

 

有名な海食崖のヤツシロガイ密集層で採集しました。

 

ここでは、少ない種類です。

 

現生種です。

 

シノニムは、

Brachytrochus  simplex 
Heterocyathus  aequicostatus  carthausi 
Heterocyathus  aequicostatus  delicatus 
Heterocyathus  aequicostatus  elberti 
Heterocyathus  cochlea 
Heterocyathus  elongatus 
Heterocyathus  lamellosus 
Heterocyathus  oblongatus
Heterocyathus  philippensis 
Heterocyathus  philippinensis 
Heterocyathus  rembangensis 
Heterocyathus  roussaeanus 
Heterocyathus  rousseaui 
Heterocyathus  sandalinus 
Heterocyathus  woodmasoni 
Psammoseris  rousseaui 
Stephanoseris  rousseaui 

が、あります。

 

ムシノスチョウジガイは、

環形動物門に属する、星口動物のホシムシと共生し、ホシムシに住み家を提供するとともに、捕食者からの隠れ家にしています。

 

ホシムシの住み家は、渦巻き型の空洞とのことですが、空洞から体を出し、サンゴを引っ張って移動したり、 直立させたり、サンゴが砂に埋もれたときは、サンゴを砂から出したりします。

( このため、可動サンゴとも呼ばれています。)

 

最近は、

このホシムシが、タテホシムシ属に属することが分かりました。

 

また、ホシムシ以外に、ヤドカリ・その他との共生も発見されています。

 

尚、

ムシスチョウジガイの名前を使用する図鑑が、あります。

 

 

 

 

学名         Heterocyathus  aequicostatus 

時代         中期更新世   渥美層群   豊橋層  

                  約44万年前 ( ヤツシロガイ層 )

産地         愛知県  田原市  高松町

採集日     2016年10月23日

採集者     筆者  kulif 

 

 

 

 

ポリプ側です。

左の小さな穴は、不明の穴です。

タテホシムシの出入り口は、右側の基底側にあります。

 

 

基底側です。

右の穴が、タテホシムシの出入り口で、体の径と同じような穴径です。

 

 

穴の正面から撮りました。

 

 

側面です。

莢の隔壁は、少し欠けています。

縦条は、同じような状態と太さで、この種の特徴です。

 

 

背面側です。

 

 

横側です。基底で、タテホシムシの出入り口が、下向きに開いています。

 

 

反対の横側です。

縦条がカーブしている所で、不明の穴が上向きに開いています。