静岡県で、カニ化石が産することで有名な、石灰岩地に帰化していた、
キョウチクトウ科 Apocynaceae フウセントウワタ属 Gomphocarpus に
属する、フウセントウワタ ( 風船唐綿 ) の花が咲き、
実も生り始めています。
フウセントウワタは2種類ありますが、
区別せずに、ゴチャゴチャに学名が使用されています。
( 区別方法は、下記が良いと思います。 )
霜には弱く、1年草扱いですが、
この株は、昨春に芽生えた実生品で、
無加温の室内で越冬してくれました。
原産地は、
サウジアラビア、オマーン、イエメン、エリトリア、ジブチ、
エチオピア、ソマリア、スーダン、南スーダン、ケニア、
ウガンダと、
アンゴラ―ザンビア―マラウイ―モザンビークのライン以南の
アフリカです。
世界各地に帰化していますが、
日本でも、
細長い棘の生えた風船状の実を観賞するために導入され、
暖地では帰化しているようです。
学名は、
Gomphocarpus fruticosus
です。
シノニムは、
Apocynum salicifolium
Asclepias cornuta
Asclepias crinita
Asclepias fruticosa
Asclepias glabra
Asclepias salicifolia
Asclepias villosa
Gomphocarpus arachnoideus
Gomphocarpus cornutus
Gomphocarpus crinitus
が、あります。
上述したように、同じフウセントウワタの和名で、
Gomphocarpus physocarpus が、あります。
区別方法は、
フルティコーソス G. fruticosus の風船は、
卵形で先が尖りますが、
フィゾカールプス G. physocarpus の風船は、
球形で、先は尖らず凹みます。
傷つけると白い液 ( ミルクと言われる。) が出ますが、有毒です。
葉・茎・実を多く食べると、家畜でも死に至るそうですが、
栽培時にミルクを目に入れないよう、注意が必要です。
( 目に入ったら、直ぐに眼科へ行く必要があるようです。 )
しかし、薬としても用いられているようです。
尚、
kulifのように、蝶の趣味家は、知る所ですが、
別属になったトウワタも有毒で、沖縄県では、蝶のカバマダラが、
トウワタ と このフウセントウワタ を食草とすることにより、
この毒を体内に取り入れ、鳥などに食べられないようにしています。
カバマダラは、このトウワタの蜜も好きとみえ、
よく吸蜜しているのを見ましたが、
吸蜜することにより受粉させて、
自分の食草を増やしているみたいです。
2017年2月28日に頂いてきた株の実生品です。
今年は、この1本しか越冬しませんでしたし、
実生品も出てきませんでした。
来年が心配で、来春の種蒔きで対処する予定です。・・・・・・・kulifの家にて
拡大しました。
花序の拡大です。
花序を下から見ました。
花の拡大です。
花を上から見ました。
花を下から覗きました。
風船 ( 実 ) が、生り始めました。
葉の拡大です。