富山県の中新世の板鰓類、サメの歯で、ツノザメ科 Squalidae
オオツノザメ属 ( メガスクアルス属 ) Megasqualus に属する、
オオツノザメの化石です。
産地は、おわら風の盆で名高い富山県八尾ですが、
この産地は、神通川流域のカドミウムによるイタイイタイ病対策で、
水田の土入れ替え用に土を採った、土砂採り場跡です。
友人と二人で、イスルス探しで、薄暗くなった夕方に訪れましたが、
まばらに草が生えた広場に、
サメの歯が落ちているのを見つけました。
そして、あくる日に大量のサメの歯を採集しました。
それから、5か月後に3度目の採集に行きました。
その時採集した、
オオツノザメ4本 ( カケ品1本を含む ) の内の1本です。
水溜まりにての水篩採集ですが、
他の採集者の痕跡はありませんでした。
この産地のオオツノザメは、
オオツノザメらしく、大変大きいものが多く、
歯冠が上向き気味など、
瑞浪層群などのツノザメと、異なった特徴があります。
また、
この産地も、本数が多く採集できる ? という特徴があります。
シノニムは、
Dalatias occidentalis
Gyrace occidentalis
Megasaulus serriculus
Scymnorhinus occidentalis
Scymnus occidentalis
Squalus occidentalis ・・・・・・直近の学名
Squalus serriculus
が、あります。
学名 Megasqualus occidentalis
時代 中期中新世 音川層
産地 富山県 富山市 八尾町
採集日 2000年10月7日
採集者 筆者 kulif
舌側です。
普通長さの個体で、歯冠の長さは7.75mmです。
真っ黒になるものは綺麗です。
摩耗していない細かい鋸歯が、整然と並んでいます。
歯冠の先端は、上の方に向いています。
唇側です。
歯冠側です。
歯根側です。
近心側です。
遠心側です。