岐阜県の中新世の板鰓類、瑞浪層群のサメの歯とエイの歯の化石です。
2008年産の1日分で、2008年の採集品では8回目です。
産地は、g1です。
1日に採集した歯で、単品と母岩付きで6種9本あります。
1桁で、5本/日を越したので、
「良くも悪くもない、まあまあ」の日ですが、
マダラトビエイの歯が採れたので、
「非常に良かった」の日です。
メジロザメ類の sp.1は、3本、
ウシバナトビエイ類は、1本でした。
尚、瑞浪層群は、
岐阜県の瑞浪市、恵那市、土岐市、多治見市、可児市、
美濃加茂市、御嵩町、川辺町、八百津町など、
愛知県の瀬戸市、豊田市、犬山市に分布します。
瑞浪市 松ヶ瀬の土岐川にある河原は有名です。
学名 番号なし・・・・・・・・メジロザメ類(カルカリヌス) Carcharhinus sp.1
7・・・・・・・・・・ ウシバナトビエイ類(リノプテラ) Rhinoptera sp.
8・・・・・・・・・・・・・・・・・・ カスザメ類(スクアチナ) Squatina sp.2
10・イタチザメ類(ガレオケルド アドゥンクス) Galeocerdo aduncus
12・・・・・・・・・・・・・ メジロザメ類(カルカリヌス) Carcharhinus sp.3
28・・マダラトビエイ類(アエトバツス アルクアトゥス)
Aetobatus arcuatus
時代 前期中新世 後期 瑞浪層群
産地 岐阜県
採集日 2008年
採集者 筆者 kulif
この当時は、採集本数記録アップのため、
欠けた歯でも歯冠があれば、採集・保管していました。
尚、
サメの歯や貝などの種類は、どうでもよいと思いませんし、
訪問者に誤解を与えないため、
できるだけ正しい名前を調べています。
文献はもとより、カラー写真を見て調べます。
名前を知って、化石採集が更に楽しくなるようにしています。
また、採集データも、できるだけ詳しく残しています。
後日、役に立つ化石として残し、ゴミにしないためです。
( 採集日、詳しい場所、採集者名など )
・・Net地図データもミスがありますので、
3社を見ています。
番号なしは、メジロザメ類 ( カルカリヌス ) Carcharhinus sp.1です。
上顎歯1本、下顎歯2本で、舌側です。
( メジロザメ科、メジロザメ属 の未定種 )
7番は、ウシバナトビエイ類 ( リノプテラ ) Rhinoptera sp. です。
歯根側で、第2側歯です。
上が唇側です。 ( トビエイ科、ウシバナトビエイ属の未定種 )
8番は、カスザメ類 ( スクアチナ ) Squatina sp.2 です。
舌側です。 ( カスザメ科、カスザメ属の未定種 )
12番は、メジロザメ類 ( カルカリヌス ) Carcharhinus sp.3です。
左側は、上顎歯で、舌側です。
歯冠に比べ、歯根が大きく、鋸歯は普通サイズです。
近心側の切縁は、凹になります。少ない歯です。
右側は、下顎歯で、舌側です。
珍しい歯になります。 ( メジロザメ科、メジロザメ属 の未定種 )
尚、右側もsp.3としていますが、
Carcharhinus egertoni ( カルカリヌス エジャートニ ) の
中央歯かもしれません。
特徴
①小さい
②歯根が短く太い
③遠心側・近心側の歯根の長さが不揃い ( 折れていません )
④咬頭が舌側へ反り曲がる
10番のイタチザメ類 ( ガレオケルド アドゥンクス ) Galeocerdo aduncus の
母岩付きです。
舌側です。 ( メジロザメ科、イタチザメ属 )
28番のマダラトビエイ類 (アエトバツス アルクアトゥス) Aetobatus arcuatus
です。
歯冠咬合面で、下が舌側です。 ( トビエイ科、マダラトビエイ属 )
アルクアアトゥスとしていますが、への字に曲がっていないので、
マダラトビエイ A. narinari に近い、別種の可能性が高いと思います。
大珍品で、この様なハイクオリティー品の所蔵博物館を知りません。
歯根側です、
舌側です。
歯冠咬合面は、山のようにカーブしています。
平坦品も所持していますが、同一種としました。
唇側です。
頬側で、左が唇側、右が舌側です。
歯根は靴下のように曲がっています。






