隣町の山野草展示会で頂いた、バラ科 Rosaceae 、ワレモコウ属 Sanguisorba に
属する、ワレモコウの矮性種で、ヒメワレモコウの一種になっている、
タンナワレモコウ ( 耽羅吾亦紅・ 耽羅吾亦香 ) の花が咲いています。
タンナワレモコウは、
サイシュウトウワレモコウ ( 済州島吾亦紅 ) とも言われ、
済州島の固有種ですが、
種としては、ワレモコウの矮性種で、ワレモコウと同種になっています。
ワレモコウは、
日本、朝鮮半島、中国全土、台湾、シベリア全土、イラン、トルコ、
ヨーロッパ ( ポルトガル、フィンランドを除く )、
アメリカ ( アラスカ州、ワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州、
ペンシルバニア州、ミシガン州、メイン州 ) 、
カナダ ( ノバ スコシア州、ユーコン準州、ノースウェスト準州、
ブリティッシュ コロンビア州 ) に、分布しています。
湿った草原・牧草地、小川沿い、川岸に自生しています。
学名は、
Sanguisorba officinalis
です。
シノニムは、
Pimpinella officinalis
Poterium boreale
Poterium officinale
Sanguisorba altissima
Sanguisorba andersonii
Sanguisorba angustifolia
Sanguisorba auriculata
Sanguisorba baicalensis
Sanguisorba bracteosa
Sanguisorba carnea
Sanguisorba cernua
Sanguisorba cordifolia
Sanguisorba cylindrica
Sanguisorba formosana
Sanguisorba glandulosa
Sanguisorba hispanica
Sanguisorba komaroviana
Sanguisorba konradii
Sanguisorba major
Sanguisorba media
Sanguisorba menziesii
Sanguisorba microcephala
Sanguisorba montana
Sanguisorba nudicaulis
Sanguisorba officinalis f. microcephala
Sanguisorba officinalis var. glabularis ・・・タンナワレモコウ
구슬오이풀 ( クスルイプルー )
の他、29種あります。
尚、
耽羅は、
古代~中世の済州島にあった耽羅国 ( タンラ、タムナなどと読む ) の
ことです。
日本においては、丹那なにがしの名前が付いた、
済州島原産の植物が沢山ありますが、
耽羅はなかなか読めないので、丹那吾亦紅を含め、
植物に関してのみの当て字ではないかと思います。
それから、
ヤクシマワレモコウ ( 屋久島吾亦紅 ) も
ヒメワレモコウの一種で、屋久島の固有種ですが、
核DNA解析したら、タンナワレモコウと区別できないかもしれません。
ワレモコウ ( 오이풀 ) の根は、朝鮮半島でも生薬として利用されています。
蛇足
구슬오이풀を直訳すると、구슬 ( 玉 ) 오이풀 ( キュウリ ) ですが、
これは、葉を揉むとキュウリの香りがすることから、
名付けられたそうです。
スイカの香りに近いと思う人もいるようです。
開花が進みました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・kulifの家にて
花序の拡大です。
上から見ました。
葉の拡大です。
ワレモコウと異なり、タンナワレモコウは、丸い葉になります。



