『食養生コーチ』を名乗っています。


食養生→しょくようじょう なんですが、しょくようせいなのか迷う方もけっこう多いです。


江戸時代、戦乱がなくなり平和な世の中になってきたときに、江戸の住む人たちは『健康』について考えるようになりました。


江戸町で言われていることを本としてまとめたのが『養生訓』、貝原益軒先生の本です。


なぜ「先生」とつくかといえば、「貝原益軒先生」と呼ぶ方が私の先生だからです。先生の先生は誰?と遡るとそこにいらっしゃる方なのです。


私の食の先生は、梅﨑和子先生、その先生は九州にいらした小川法慶先生、そしてマクロビオティックの桜澤如一先生。そこから石塚左玄先生…さかのぼっていくと、貝原益軒先生となるのです。


こうした連なりの中にいられることをとても幸せに思っています。

この国土と、そこに住んでいた私達の祖先が居て、食の歴史や文化が紡がれてきたのです。それをバトンリレーのように次世代に渡していくこと、それ自体が楽しいことです。


さて、肝心の食養生(しょくようじょう)について私はこう考えています。


食で生命を養う、生きる力を高めることです。これは、貝原先生が言ったように、延命とは違ってよりよく生きるイメージです。貝原先生の言葉ですと、


『養生の方法はあるけれども、生まれついていない寿命を長くたもたせる薬はないという意味である。養生とはただ生まれついた寿命をよくたもつ道である。』


『養生訓』冒頭、巻第一 総論上 には次のように書かれています。


『ともかく人生は、楽しむべきである。短命では全世界の富を得たところで仕方のないことだ。財産を山のように殖やしても何の役にもたたない。それゆえに、道にしたがって身体をたもって、長生きするほど大いなる幸せはないであろう。』


【人生は楽しむべきもの】

これが、根底にあるんです。


美味しいものを美味しいと感じかれるのは、生きている間だけ。ですから、美味しく食べられるように健康を心がけるわけです。


それともう一つ。『食で生きる力を高める』というのは、私にとっては他の場所でいただいた言葉からの転用です。大病をして、子育てにも疲れヘロヘロになっていたときに出会った『合気道』です。


『合気道によって生きる力を高める』

この言葉をきいたとき、敵を倒すためでなく自らの生きる力を高める武道ってすごい!と感動しました。


生きる力を高めることにフォーカスした行動はしたことがなかったからです。


生きる力を高めることにフォーカスして、野菜や魚など他の生命をいただく。食べないと生きていけない私たち。せっかくいただくのですから、感謝していただいた「生命」をつないでいくことですよね。