皆さん、こんにちは、あるいは、こんばんは ・・・
このブログに限らず、ながらスマホでの閲覧は禁止です。
直ぐにでも事故に合うか、起こすか?
被害者 か 加害者 か?
いずれにしても、バカバカしいことです。
二度とそのような愚かなことは止めましょう。
《 キャラクター&キャスト 》
土門 剣三郎(五十三才) 渡〇 謙
ミツエ(五十才) 松坂 慶〇
拳 三(二十五才) 妻夫木 〇
かすみ(二十一才) 成瀬 璃〇
マーフィー・ラッセル (二十五才) ヘイデン・クリステ〇セン
エミリー・マーティン (十九才) ベッ〇―
ミランダ・マーティン (十三才) アヤカ・ウィル〇ン
豆芝 (犬四郎 / 四才) 加藤 清〇郎
* 守護霊やその他の霊魂のキャラクター&キャストは省きます。
あまりに登場人数が多いので、エキストラ扱いです。
悪しからず。
(推奨BGM)
・・・ もうダチョウの丸焼きは結構ですぅ、お腹いっぱいで ・・・
えっ、そんな、名古屋コーチンを三羽もお土産にって ・・・
一羽で十分で御座います ・・・ ふんふん、ああ~~、満足満足 ・・・
・・・・・・ むにゃむにゃ ・・・ ふあぁ~ ・・・・ ?
ん~~? なんだ ・・・ ここ何処? 籠?
か~ごのな~かのうさぎぃ~わぁ~っと♪ まだうさぎぃ~
段々慣れて来たぞ、このパターン ・・・
すると、名古屋コーチンは無あ~い!しょお~がなぁ~い♪
雨の日はしょおがない♪ 雨は降ってないけど ・・・
まあ、夢の中で食べたからいいか!
あ、あれはダチョウだった ・・・
それで、何だこれっ? 首からぶら下がったペンダント。
ゲゲゲ、円盤型の金属製だが、ここ、この金属は、まさか、
オリハルコンか? はたまた、ヒヒイロカネか?
燃えるよう炎の光を放っているとは ・・・
それで、表の部分には縦が赤、横が青の十字の紋章が ・・・
ただこの十字は、ゆるいS字になっている。
そんでもって、縦の赤は真っ赤なルビーが、
横の青はサファイアが敷き詰められている。
しかもその縦横の宝石は、LEDのように眩く発光しているのだ!
周囲はダイヤモンドかクリスタルで縁どられている。
全く信じがたい芸術品だ!
それで裏は、ムムッ、ギョ、カ ッ、鏡かぁ?
だが、この鏡は、あああああ~~~!!!
これは、ウサギではない、あ~たくしの人間の顔が写っている。
ししし、しかも、写った体の奥のチャクラが見えている。
まま、また気絶しそうだ ・・・ いや、いかんぞ!
ああ~~、額の奥のサードアイ の光はいま一つ鈍いぞぉ ・・・
うぬうう ・・・ しょうがない、これが現実なのだ。
んで、左腕にはな、なな、なんとも神気を帯びたような光を放つ
ダイヤかクリスタル製と思われるデジタル時計が ・・・
このデジタル部分は真っ赤に発光している。
怖いのは、このデジタル部分が、既にカウントダウンを始めていることです。
ああっ、この数字に触れたら、現在時刻を表示しました。
現在時刻、12 / 18 13:40 を回っています。
えッ、もう一度触れると、アナログ時計に ・・・凝ってるなあ、流石に!
それで、カウントダウンはあと、89:19:19 です。
あ~、怖い! ただ、これってスミレ様からの贈り物だろうな。
ペンダントの組紐の色はピンクだし ・・・ 申し訳ないですね。
ありがとうございます。スミレ様!
・・・ プ ピ プ ピ プ ピッ ・・・?
何だ? ゲッ、この時計からだ。
(( もしもし、わたくしスミレです。礼には及びません。
ペンダントはわたくしからですの。それは、わたくしの紋章なのよ。
そしてダイヤ製の腕時計は叔父様からのプレゼントなの。
ふふ~ん、なかなか洒落ているでしょう。
まあ、主神の叡智が詰まっているんだけど、
その他の機能はまだ内緒よ ・・・
いい、あなたの使命は土門家に潜入し探ること。
それから、あなたを送迎して下さったのは叔父様ですから、
お礼を言ってね。それじゃあ、バア~イ ・・・ ))
・・・ プチッ、ツ ーー ツ ーー ・・・
「 えっ、あ、ありがとうございました。」 ? 切れた ・・・
主神の叔父様、御面倒を御掛け致しまして申し訳ございません。
ありがとうございました。
通じただろうか?
叔父様って、御名は何ておっしゃるんだろう?
それに電話なの、この時計?
・・・ タンタカタカタカ ・ タンタン
タンタカタカタカ ・ タンタン ・・・
エッ、ちゃっ、着メロが笑点? また電話?
(( あ~、もしもし私スミレの叔父です。
時計、気に入って頂けたようで良かったです。
それと名前なら、とりあえず 「 おちょい 」 で結構ですよ。
では、さよう奈良京都! ぷくくっ ・・・))
ブチッ、ツ ーーー
あっ、ああぁ~~? あ、いや、お~見事な駄洒落です。
ぐっ、苦しい・・・いずれにせよ、神様って厳格だけど遊び心満載だし、
一介の人間にお気を使われて、勿体無いというか恐縮ですホント。
ところで、外の様子がどうなっているか、見てみましょう。
この籠の蓋を開けて、うんしょっと、飛び出たら ・・・
籠は ボワッ 、と煙と共に消えちゃいました。
ここは、普通の民家の門前です。
表札は土門。生垣は、赤い椿がとても鮮やかです。
きちっと手入れがなされているようです。
こういう門構えも立派で気品ある和風建築ってやっぱりいいですねぇ。
二階建てで、そんなには広くはないようですが、
ちょっと覗いてみましょう。
信造のぉ~、建物たんぼ~~!? ・・・
渡辺さん、スミマセンって見てます? ・・・
テレ朝、関東圏では、2022年現在、毎週土曜日4時25分放送です。
関係ないですが ・・・
門を抜けて、片引戸の玄関をすり抜け、
あ~、わたくし肉体が無いうさぎですのでお気になさらずに。
すいすい気持ち良いほどすり抜けられます。
いや~、なかなか無垢の木をふんだんに使った内装と、
風景画や見事な絵皿が飾ってあり、いい~佇まいですね~。
それに全体の雰囲気というより、
神気ともいうべき美しい光で溢れている。
んっ? なんか臭う。動物の匂いだ。
すると、奥の部屋から豆芝が、
不思議そうな表情をしながら近づいて来る。
クン、クゥ~ン ?
なんだろう、私の姿が見えるのか? それとも、臭うのか?
この犬の脳裏には、ぼやけたうさぎの姿が映っている。
へぇ~、犬に見えているとは面白い。
それに、魂も流石に可愛いくて綺麗だ。
不思議な事ですが、このうさぎスーツのせいか、
相手の思念や魂の光が見えています。
ただ、神々の思念は全く読み取れませんが ・・・
恐らくスーツの力も及ばないのでしょう。
元が人間レベルじゃあねェ。
こりゃ益々面白くなってきた、むふふ ・・・
試しに、私は彼に話し掛けてみました。
「 ああ~きみきみ、名前は何と言うのかな?」
「 けんしろうだよ。」
ええっ、話出来るぞ!おもしろい。
それに、小さくてカワイイ奴だな。
短い尻尾を振っている。
室内飼いなのだろう、性格も穏やかで素直そうだ。
「 犬四郎~、犬四郎~、おいで~。」 若い女性の声だ。
けんしろうって、漢字のイメージで伝わる。不思議だ!
これは言霊の力なのだろう。
名前は、「北斗の拳」 に掛けてあるのか?
本来、ケンシロウ か 拳志郎 なんだが ・・・
だとすればこの命名、面白い。笑える。
私は呼ばれて戻った犬の後を追った。
廊下の先の角を曲がると、んっ?
突き当たりにドアが・・・それでドア下に犬用の出入り口がある。
ギリギリの大きさで、犬四郎は鼻面で扉を持ち上げて潜って行った。
そこには、十六畳程のダイニングキッチンがあった。
ラジオの音がする中、視線を奥に移すと、七、八人掛けの
L字型のソファーに何人か座っている姿が見える。
外国人の大柄な男性と姉妹、三人兄弟だろうか?
それと熟年の母親らしき日本女性と、その息子と娘。
と見たが、どういう関係なのか?
皆、一様に表情が暗いのは、何か訳ありのようだ。
しかし、これは何だろう?
人間の体の縦軸部分の数箇所に色違いの光が見えている。
魂 は、人の額の奥にある脳幹という場所の松果体に宿る説。
この部分には、サードアイ・チャクラ があります。
または、臍下の奥にある丹田という部分に宿る説。
ここには、サクラル(セイクラル)・チャクラ があります。
主要なチャクラという円盤形の霊的な光が、
人間の体の縦軸、主に背骨に沿って点在していますが、
全てのチャクラが魂そのものなのかもしれません。
主要な部分が、サードアイとサクラルなのかも?
(下記参照)
宇宙根源の『 生命の樹 』の謎
とにかく、そのチャクラの光が、うさぎの霊眼ヒガンに映るのです。
チャクラの光が見えるということ、当然神からは一目瞭然でしょう。
霊界の中に存在する現界、物質界。
神の目線は人の想いと行い、魂の光に向けられているでしょう。
だから、醜い心を隠しても無駄ということです。
この家族でも光の強さや色はまちまちです。
体全体の光、オーラというものも見えます。
気になる所はまだあります。
それぞれの頭の陰にチラチラと何か蠢うごめく物が見えます。
私は、母親らしき女性に近づいてみました。
何か人影のような、んっ?
小人? 一寸法師? 向こうも私を意識しているようだ。
こっちを不思議そうに見ている。
私は質問を投げ掛けた。
「 あ、あの、初めまして。
私は、このような格好ですが、人間の関口信造と申します。
あなたは一体ここで何をされているのですか?」
「 あっ、初めまして。私はこの者の守護霊の一人で、
安明あんめいと申しますが ・・・
いやぁ~、驚きました。
うさぎのお姿はともかく、オーラの光が全く見えないし、
思念も読めないので、
霊魂じゃないんじゃないかって思ったほどで ・・・」
「 ああ、守護霊様でいらっしゃいましたか。
驚かせて申し訳ありませんでした。
この体は事情があって、神様から授かったものなんですよ。
ですから、オーラの光の関係は自分ではよく分かりません。
特別に神様からの指令の為、この家に参った次第なのですよ。
ところで、このご家族は平日の昼間から、
仕事もされていないようですし、家族構成も変っているし、
良かったら御説明願いたいのですが・・・」
「 そういうことでしたら、お安い御用ですよ。
え~、まず私が守護しているこの女性が、ミツエと申しまして、
年は丁度五十になります。おっとりしていますが、
曲がったことが嫌いな肝っ玉母さんといったところです。
旦那もその辺が気に入ったようで結婚したのです。
以前は料理教室を開いて、近所では人気があったのですが、
新型インフルエンザがパンデミックを起こし、
それ以来、教室は開いてはいないのです。
御存知でしょうが、その時の死者は東京だけでも四十万人を越えており、
あのワクチンが3割程しか効かないとは、思いもよらないことでした。
その為、政府や医療関係者が相当数亡くなり、
仕事を維持できる企業は数少なくなってしまいました。
当然、倒産にリストラ、失業者が街に溢れかえり、
それに伴いホームレスも増えました。
例に漏れず、この家の住人も同じで自宅待機の者ばかりです。
蓄えたお金で食糧を備蓄し、
家の中で悶々とした日々を送っている始末です。
家に篭るのは、他にも理由があります。
警察官の数も激減してしまい、治安がかなり悪化しているのです。
その為、完全武装した警察官や民間の有志者が
二十四時間体制で連携して見回りをしています。
旦那は剣三郎、五十三才で、
この地区の 自警団「暁 あかつき」の団長をしております。
彼は関口新心流という古武術を学んでおります。
その古武術は居合いや柔術を含む総合武術なのですが、
彼の腕は達人の域に達しています。
正義感も人一倍強く、人々の信頼も厚い為、団長に選ばれた訳です。
彼は先祖を含めた我々土門一族の中で、
最も優秀で切り札的存在なのです。
だからこそ、今の世に生まれ変われるように、
神様が仕組んで下さったのだと、
私の指導霊 、優純 ゆうじゅん 様 から聞かされていました。」
「 そうでしたか。それで、私がここに来た訳が分かりました。
私の姓は関口と申します。何か深い因縁があるのでしょう。
それに今生きている人間達は、その家の中で一番重要且つ責任の重い、
言い換えれば曇りの深い魂が転生してきているのですね。
一概には言えないでしょうが。」
「 あなたのおっしゃる通りです。全ては神の大愛なる
お仕組みを頂いての事ですが、昨今の人間達の性に対する考え方は
余りに短絡的、幼稚で快楽中心のSEXが横行しております。
その為、地獄に落ちた魂ばかりが呼び出され、
その結果、この世が地獄化するは必然的な事と言えます。
幽界の上層界から転生したいと願った魂があったとしても、
淫らな愛の無いSEXをする夫婦や、
夫婦ごっことも言うべき同棲なるふしだらな関係の者の
母体に宿れる筈が御座いません。
世も末というのは、出来ちゃった婚などという子供を出汁に、
親に有無を言わさず結婚することが横行しています。
先祖には最も嫌がられる行為で、両家の先祖同士は、
そりゃあ気不味い関係になります。
私なら絶対に許せぬ行為でありますが、
現界ではそれすら容認する動きがあります。
不倫などは論外でありますが、
そんな関係の醜い魂を持つ男女の間には、
聖なる魂は宿れないのです。
挙句の果てには、お互いの我がままを通し
掟を破り離婚する者がいる始末。
もはや性は、聖なるものでは無く地に堕ちました。
幸いこの家は、霊的な平均水準を大幅に上回ることができております。
ただ、我々一族の守護霊達は一瞬の油断も許されません。
気の毒なのは他のお家の先祖です。
あまりに醜い子孫の自堕落な生活に、絶望する者が殆どです。
おまけに神様や先祖は蔑ろ。やる気が無くなるというものです。」
「 そうですか、現界に生きる子孫の為に想像を絶する
御苦労をしていらっしゃるのですね。
性に関しては同感する事ばかりです。
それで、その剣三郎さんはお留守なのですか?」
「 ああ、彼でしたら奥の部屋で、瞑想をすると言って篭っています。
では、家族の紹介を続けましょう。
向かって左の男性が、長男の拳三で二十五才です。
この男も、一族では期待が大きく、勤勉で正義感もあり
冷静沈着で洞察力、統率力にも優れております。
父と同じく新心流を学び、柔術では父を凌ぐ腕前となっており、
文武両道といったところですが、ちと自信過剰な一面があるので、
そこが欠点で御座いますな。
また、当然のことながら 自警団「 暁 」の団員であります。
頼もしいことに恋愛に関しては、父親に似て・・・
ベタベタちゃらちゃらした恋愛など御免だ!
等と言って、つまらない女を寄せ付けず硬派を貫いております。」
「 うれしそうですね、安明様。」
「 そりゃあ、何と言っても男女間の欲望を押さえるのは
骨が折れますのでな。
御近所を見ておりましても、親も守護霊も大変極まりないのですよ。
家の中では携帯にテレビや漫画・インターネット、
まあ、この家では剣三郎とミツエがうまい具合に規制を掛けているので、
たいしたことはありませんがね。
とにかく、学校やら会社での友達付き合いでは、
相当悪影響を受けますのでな。
ですから守護霊達は ・・・そんな馬鹿な奴の言う事を聞くな、
ゲームはその辺にしておけ ・・・
等と、魂に向かって強い波動を送らなくてはなりません。」
「 これはこれは、守護霊とは大変なみ役ですねぇ。」
「 何々もう慣れました。
え~、それで拳三の隣は妹のかすみ、二十一才です。
この子は、母親に似ておっとりしていますが、
生真面目でしっかりしています。
運動は苦手ですが、剣は別らしく、
剣三郎は剣を中心に稽古をさせております。
恋愛の方は奥手で、今までは悪い虫が付かぬように、
彼女の守護霊もがんばっておりました。
それが、そちらの外国人男性、
マーフィー・ラッセルと申す者とは仲がよく、
拳三と一緒に、日本語や剣を教えたりしております。
彼は拳三と同じ二十五才で、
アメリカからホームステイをして三年になります。
日本の和風建築と、古武術を学ぶ為に来ております。
彼も自警団に所属し、いい働きをしております。
私は外国人などとは、どうかとは思いますが、
志も高く女性関係にも真面目なので大目に見ております。
剣三郎は気に入っておりますがね。
そちらのハーフの姉妹は、気の毒なことに、その両親と長男が
新型インフルエンザの犠牲になってしまったのです。
父親はイギリス人で母親が日本人です。
もう、亡くなって半年になります。
犬を抱っこしているほうが姉で、
エミリー・マーティン、十九才で大学生です。
妹の名はミランダ、十三才で中学生です。
エミリーとは、かすみの大学の親友ということもあり、
他に身寄りがないので、止むを得ず同居しているのです。」
「 そうですか ・・・ 込み入った事情があるのですね。
皆、厚着をして暖房のある部屋に集まる。どこも同じですね。
大抵は一人寂しくですが、この家はかなりまともと言えますね。
ところで、今から何が起きるか御存知ですか? 」
「 えっ、そう言われましても、
ちょっと見当が付きませんが ・・・ ?
もしかすると、
幽界の領域が大幅に縮小していることに関連があるのですか?」
「 その関連はございます。おそらくは幽界の住人には
秘密裏に進められたことだと思います。
実は私、先程まで出雲の神々の会議の模様を見ておりましたので、
ある程度は知っているのです。これを御覧下さい。」
すると、居てもたってもいられなくなったのか、
この家、全員の守護霊が集まって来ました。
皆、随分若いし美男美女揃いだ。
それに三十前後に見える。
良く考えれば肉体が無いのだから、老いとは無縁で当然と言えます。
「 いったい、何事なのです。」
「 事情は聞いておりましたが、何事か教えて下さい。」
「 まあまあ、皆さん落ち着いて下さい。
私は、関口信造と申します。宜しくお願い致します。
今はジタバタしても始まりませんので、
まず簡単にお名前だけでも、
自己紹介をしていただければと思いますが、
宜しいですか?」
「 では、私から ・・・ 拳三の守護霊代表、栄来えいらいと申します。」
「 かすみの守護霊代表、真麗しんれいと申します。」
「 マーフィーの守護霊代表、ロデスと申します。」
「 エミリーの守護霊代表、アルクルと申します。」
「 ミランダの守護霊代表、メイフィと申します。」
「 皆さん宜しいですか ・・・
簡潔に申しますと、明日午前七時からの三日間で、
今まで神霊界に起きていた 「正邪の戦い」 に終止符が打たれるのです。
これを御覧下さい。」
私は左手を伸ばして、ダイヤのブレスレットウオッチを
皆様の前に差し出した。
「 これは、ある神様から頂いた腕時計ですが、
このデジタル表示部には今からを含めて、
三日後までの時間がカウントダウンされています。
あと、八十九時間 を切りました。」
安明 「 何ということだ。大変な事になった。」
栄来 「 それで、我々はどうすればいいので、
なんなりとおっしゃってください。」
「 あ、いや、御安心下さい。今から間も無く神示受けした聖者より、
マスコミを通じて世界人類にその神示の内容が公表されます。
まずは、その報道されるのを待ちましょう。
ところでラジオを聴いていても構いませんが、
テレビの方が状況が良く分かると思いますので、
誰かにテレビを付けて頂けるような働きかけは
出来ないものでしょうか?」
「 私が試してみましょう。」
と言って、栄来様が拳三の頭の脇に戻られました。
すると、何やらテレビとニュースのイメージを与えている様です。
拳三は、小説らしき本を読む手を止め、目線が上向きになり ・・・
・・・ そういや、十和田湖の状況に何か進展はないかな~
それと、今朝の衛星の墜落はどうなったかなあ ・・・
と考えています。
あれっ、私、集中すると人間でも考えていることが読めるようですね。
うさぎスーツのお蔭です。
すると、拳三はテーブルの上のリモコンを手に取り、こう言いました。
「 みんな、ちょっとテレビ付けていいかな。ニュース見たいんだよね。」
「 あっ、いいわよ、あたしも見たいから。1チャンネルにしてね。
エミリーちゃん、悪いけどラジオ消してくれる。」
ミツエがそう言うと、エミリーは答えた。
「 はいあ、それと、ちょっと毛布持ってこなくちゃ。
ミランダが寝ちゃったの~。」
「 あら、風をひいたら大変だわ。早く持ってきてあげて。」
「 は~い。」
そう言うとエミリーは、窓際の棚の上に置いてある
ミニコンポのスイッチをオフにして部屋から出て行った。
ミツエは立ち上がるとミランダの隣に座り、
起こさないように優しく抱き寄せ、髪を撫でながら小声でこう言った。
「 あなたは私達の家族で、私の子供よ。だから何も心配しなくていいのよ。
あなたが、いつか結婚して、この家を出て行っても
私の子供であることには変らない。
あらっ、どうしたの? 起きちゃった?」
母の温もりを感じたのか、ミツエの胸に顔を埋め、
ミランダはしくしく泣き始めた。
その様子を見て、他の三人は暖かい眼差しと愛の波動を送っている。
「 ママ、ママ、ありがとう、ありがとう・・・ううっ・・」
ミツエは、ミランダのおでこに優しくキスをした。
「 あらあら、もっと甘えていいのよ。
それにね、天国へ行ったあなたの御両親とお兄さんは、
いつまでたってもあなたのこと愛してるわ。
私達家族はその愛を受け継いでいくだけなのよ。
そして、いずれはあなたも自分の子に伝えるの。
それまで、徹底的に勉強して人とはどうあるべきか、
親とはどうあるべきか、身に付けなければならないわよ。
だから、良く見ておいてね、私達がお手本を示すから。
ねえ、そうでしょう、みんな!」
すると間髪を入れずに、かすみが答えた。
「 もも、勿論よね、みんな。あ~たしは何と言っても
女らしさの手本になるから、任せといて。
ほら、エミリーはどちらかというと、
男っぽいから私を見習った方がいいわよ。
それに、ちょっと派手過ぎて一緒に歩くの恥ずかしい時あるのよね。」
「 あ~ら、よしなさいよ。かすみったら、みっともないわよ。」
「 あ、でもホントだよ。お姉ちゃんって家の中では派手でも大人しいけど、
外でイケメンの先輩に会うと、いきなりテンションがあがって、あっやばっ」
バァーーン ! とドアが開いて、エミリーが入って来た。
この娘は、廊下で聞き耳を立てていたのです。
私には見えました。
エミリーは丸めた毛布を縦にして両手で持ち、鼻歌交じりに、
くるくるダンスをするように辺りを回ると、ピタッと止まった。
そして毛布を相手に小芝居を始めた。
毛布は随分、下の位置だ。
「 あ~、君はなんて女性らしいんだ。ファッションセンスは抜群だし、
それに何より君の大きな輝く瞳が、僕の心を捉えて離さないんだ。」
今度は毛布をかなり高く持ち上げ、体を入れ替えた。 プッ ・・・
「 いいえ、わたくしは地味で何の取り柄もない女です。
でも、あなたを愛する気持ちは誰にも負けません。」
「 おお、エミリー。」
「 ああ、アンドレ。」 べッ、ベルばらっ?
それでエミリーは毛布に抱きつき、キスの真似をした。役者ですな ・・・
パチパチパチッと、ミツエと男二人は笑いを堪えて拍手をした。
後の二人は、かなり気不味そうである。
「 ありがとうございます。ありがとうございます。
おかあさまぁ~~!」
エミリーは、ミツエの元へ駆け寄り様、毛布をミランダに放り投げた。
そして、ミツエに抱き付くとこう言った。
「 おかあさん、あたしはおかあさんを女性の鏡として、
人生の勉強をしてまいります。何でも教えてください。」
そう言うと、ミランダとかすみに、ベーッと舌を出した。
「 ごごご、ごめんねエミリー。」 かすみがドモリながら言った。
「 おねえちゃん、ごめん ・・・ で、目が怖いんだけど!」
「 あらそう、これが目力って言うやつよぅ。フンだ。」
「 まあまあ許してあげて、二人とも悪気は無いのよ。」
エミリーは、二人を暫く睨んでいたが、すぐにニコッと微笑んだ。
「 いいわよ、お母様に免じて許して上げる。
ふふん、ねえお母様ほっぺにキスしてくれる?」
「 しょうがない子ねえ。はい、チュッ。」 ミツエはエミリーにキスをした。
「 え~っ、あたしもしてほしい。」 と言って、ミランダはキスをせがんだ。
ふくれたかすみは負けじとばかりに、こう言った。
「 母さん、あたしにもしてよぉ。ちょっと、マーフィーさんどいてよ。」
「 ああん、もう、あなた達ったら・・・
順番によ。はいチュッ、はいチュッ。」
「 全く、お前ら子供だな。フッ。」
馬鹿にした含み笑いで拳三がそう言うと、マーフィーがニヤリと笑った。
「 なあ、お前も強がらないで甘えてこいよ。
ほら立てよ、席変わってやるからさ。」
「 アホか! そんな下らん事が出来るか! お前がしてもらえ。」
おんもしろい家族だ。
「 ああ、いやッ、僕はいい。」
「 何、赤くなってるんだよう。」
「 あ、赤くはなってないだろう。」
「 もう、よしなさい。みんな子供なんだから。」 ミツエは呆れた。
するとドアが開いて、剣三郎殿のお出ましである。
彼は背が高くて眼光が鋭く、見るからに頼もしい武士だ。
「 何だ、やけに賑にぎやかだな。」
「 そうなの。みんな子供みたいにじゃれ合っていたのよ。」
ミツエが言うと、剣三郎は皆の前に立つと得意気にこう言った。
「 いいか、良く聞くんだ。お前たちはみんな私の子供だ。
幾つになってもだ。仮に母さんが先に亡くなったら、
私が母親の代わりを務める。その時はみんなで甘えてもいいぞ。
キスでも何でもしてやる。」
この人、結構面白いこと言いますねェ。
みんなは嫌がってるけど。
「 何だよ、廊下で聞いてたな~。」 拳三が言った。
「 それが何だ。大きい声出してたら聞こえるに決まってるだろ。
おい母さん、二人にキスしてあげなさい。」
「 はいはい、寝る前にタップリしてあげますよ。」
「 え~、母さん何言ってるんだよ。
マーフィーだけでいいよキスなんて。」
「 お前こそ、何を言うんだ。このっ、黙れっ、口を閉じろ。」
アメリカ人のくせに、随分シャイですねェ。
「 何二人で言い合ってるの。キスなんて、してもらえばいいじゃない。
男っておかしいわよねえ。」
と言って、かすみはエミリーとミランダに向かって同意を求めた。
「 そうよそうよ、ホントはしてもらいたいくせにぃ。」
悪戯な横目でエミリーは言った。
「 お、おいっ、待ってみんな。
テレビで 『 十和田湖の奇跡 』って、やってるぞ。
ほらっ、あのピンクのジャージの女子アナ出てるよ。
・・・ ちょっと、中入れてくれ。」
剣三郎が、そう言いながらソファの奥に座った。
しかし、ピンクのジャージが奇跡?・・・ 何の事だ???
十和田湖の件はいろいろあったけど、私は宇宙にいて~、
大黒天様は太陽から火の龍神で~、
ああ~、その後、鈴の音がしたら急に真っ暗になって、
大黒天様の袋の中に、この格好で入ってたんだよなぁ。
もしかして、ああっ、あの時スミレ様にレポーターとかナレーター
お願いしちゃったんだ。
あの時の何分かの間に何かあったんだ。
むむっ、女子アナのジャージの胸に十字の紋章が刺繍されてる。
あれは私がスミレ様から頂いた、このペンダントの紋章と同じだ。
それに何故かスッピンピン!
スッピンアナ? 薄化粧位はいいんじゃないかと ・・・?
ああ~時計がブルブルって、バイブ機能?
・・・ ぬぬっ、ううっ、ああ~~っ、はあ~~、ス、スミレ様。
か、お顔だけとは、いくらお美しいとはいえ・・・
《 ごめんなさいね驚かせて。
あなたのリアクション見てると楽しくて、むふ。
裏をかかれたって顔ね。
それから、私の姿と言霊は守護霊達には悟られないから安心してね・・・
でも、十和田湖のあなたの推理は当たってるわ。
何ね、神に無礼を働いたので、ちょっとお仕置きを兼ねて
悪戯をしただけのことよ。
それからあなたの、そのスーツは色々な機能があるから試してみてね。
それに、しばらくはこの家族を良く観察しておくのよ。
この家族の中の三人は最重要人物に指定されてるから・・・じゃあね。》
「 はい、畏まりました。」
ああ、消えてしまわれた。
しかし最重要人物といっても、確か聖者の名前は全員は聞いてないんだよな。
ミカエル様の御報告では、各国の聖者の人数が主だったから、
あ、人数知りたいですか? 日本は十人です。日本が一番多いんですよ。
確かに、土門家とマーフィーの魂は、相当輝いてはいます。
が、ハーフの姉妹は少々くすんでいます。
ただし、都市部の霊的汚染率は世界最高レベルですがねェ。
ホント先進国程汚染率が高いんです。
最近は加速度的に汚れているようです。
欲望の街に憧れ上京する人々 ・・・
そこで、更に自分の魂は汚染され霊層が落ちる。
地方に残され老いた両親も絶望する。
農業も廃れ地方も都市部も共倒れです。
邪神の思う壺。
世界中何処でも、多かれ少なかれ同じ有様 ・・・
あっ、そうこうしているうちに、十和田湖で何か進展があったようです。
何やら、報道陣が慌しく動いています・・・・
なるほど、どうやら 第一の聖者 が現れたようです。
いよいよ始まりの序曲が演奏されるということでしょう!
くううう~~!
たのしみ、たのしみ ・・・・