数日後アーサーくんのもとに大変なニュースが届いた。
「エマニュエルさんが亡くなった!?」
エマニュエルさんは長寿を全うして亡くなったらしいと聞いた。
「何ということだ」
その知らせは僕たちみんなに伝えられた。
僕たちはエマニュエルさんの葬儀に参列した。葬儀は大勢の人が参列し、政界や経済界や芸術界の有力者も参加した。
ダイアナさんは泣き崩れた。アンさんは
「もうちょっと色んな話聴きたかったな」
と悲しんだ。
「図書館がなくなったようなものだ」
アーサーくんの目から涙がこぼれた。僕は驚いた。
「決して感情的にならないはずのアーサーくんが泣いた?」
アーサーくんは否定した。
「泣いてない。目にゴミが入っただけだ」
さらに数日後エマニュエルさんのお墓にお参りに行った。アンジュちゃんは言った。
「私は感じる。エマニュエルさんの魂はここに確かにいるわ」
まほろちゃんも言った。
「エマニュアルさんはきっとこれからも私たちを見守ってくれるわ」
アーサーくんも語る。
「エマニュエルさんはお墓で安らかに眠るのではなく、風となり、鳥となり、星となり、川となり、ニューヨークの街を見守ることだろう。
灰は灰に、チリはチリに。命あるものいつかはなくなり、形あるものいつかは壊れる。全てはいつか戻るべき故郷へ帰ることだろう。この長老もまた今故郷へ帰る。川を流れさせよ。それこそ国の目覚めである」
ダイアナさんはエマニュエルさんのためのレクイエムとしてレッドザリバーランを歌ってくれた。
つづく