今回は最初は絵の販売について書きますが、後半は経済の話になります。


《絵を売って稼ぐ方法》


 絵を売って稼いで生きていきたいと考える人が増えたように思います。僕の見ているSNSでは絵を売りたいという人や絵を売って稼ぐ方法について書いた記事をよく見かけるようになりました。


 僕も興味を持ってそれを調べていたら、あるYouTubeで絵がたくさん売れる場所を紹介していました。


 紹介されていたのはドイツでした。ドイツでは日本のアニメの人気が高まっていて、日本のアニメ風のイラストの需要も高まっているそうです。ドイツに限らずニューヨークやパリなど絵が盛んな欧米全体で日本のアニメ風の絵の需要は高まっていると思います。


 ドイツでは日本より絵の相場が高いそうです。日本が安すぎるということもあると思います。


 日本では絵を描く人がたくさんいて供給過剰になっていて安売り競争しています。無料で配布ということもよくあります。


 それに対してドイツでは絵を描く人が少なく才能のある人としてリスペクトされていて絵を高く買うということが文化になっています。買わなくても見せてもらっただけでチップを払うということもあります。


 日本では絵の相場が安くても絵のレベルは高いと言われています。


 今は日本が円安なので日本と比べてドイツの物価が高いということもあると思います。日本ではクリエイティブな作品に限らず商業製品全体が安いです。日本の物価が安い理由はいろいろありますが、日本人はあまり利益を求めず無欲に仕事を愛して、ただ仕事を続けることさえできればいいと考える傾向があり、それは日本人の美徳でもあります。

 でもそんな日本のいい仕事を続けるためにはたくさん利益を取るのもいいことだと思います。


 海外に絵を売るなら送料を払って委託販売してもらうよりも、自分で直接売りに行った方がコストが安いと言われています。日本人のアート系の人がニューヨークやパリなどで絵を売ろうとすることはありますが、オタク系の人はまだまだ海外に売ろうとすることは少ないと思います。

 その理由はやっぱりオタク系の人は若い人や経済力のない人、語学力もない人も多いのでそこまでできないんだと思います。僕もそうですが。


 そして海外で絵を売るなら欧米以外のいろんな国にも着目した方がいいと思います。


 例えばサウジアラビアでは今、日本のアニメ、マンガ、ゲームに対する人気が高まっています。サウジアラビアは暑い国なので室内で過ごすことが多く、室内でできる遊びが発達して、それで日本のオタク文化が注目されたわけです。


 サウジアラビアでは10年ほど前までは戒律が厳しく、女性の外出も厳しく制限されていましたが、今ではそこまで厳しい戒律はなくなって、自由に娯楽を楽しめる開放的な国になっています。


 日本人がサウジアラビアに旅行に行くと珍しがられて女性に声かけられたりします。10年前なら女性が逆ナンパすると公開処刑されるくらい厳しい罪だったんですが、今では普通のことになっています。文化開放が進んでるんです。


 それはドバイの成功を見習ってるからでもあり、日本のためでもあります。サウジアラビア人は親日で日本のことが大好きで、日本人を見習おうという気持ちが強いので、日本をお手本にしてるんです。


 そこで若者の雇用対策として「キッディーヤ」という一大国家プロジェクトを立ち上げました。これはアニメ、マンガ、ゲームなどのクリエイターを集めて経済特区を作ろうという政策です。

 クリエイティブに限らず優秀な企業は儲かりすぎて税金が高くなるという悩みがありますが、そんな人たちの税金を無税にして優秀な人を集めようというのが経済特区の考え方です。

 経済特区を作れば主力の産業からは税金を取れなくても関連する産業やその人たちが使うお金によって景気が良くなり、結果的に国の財政は良くなるという風に考えます。


 それは本来だったら秋葉原に作るべきだったかもしれませんが、そういう動きは今の所ありません。

 日本政府の動きも遅いですが、遅いのは政府だけではないと思います。日本の民間人もあまりサウジアラビアに着目していません。日本人はリスクを恐れてあまりチャレンジしない傾向にあるので、よく分からない国には進出しない人が多いです。


 サウジアラビアは日本人のことが大好きで日本人が来たら誰でも歓迎するという気持ちを持っていますが、そんなサウジアラビアに行く日本人はあまりいません。

 サウジアラビアといえば日本に石油を売ってくれる国の代表ですが、本来石油を売ってもらうのは当たり前のことではありません。サウジアラビアが親日だから、そしてサウジアラビアと日本の架け橋になる日本人が過去にいたから、今までは安定的に供給されてたんです。


 欧米の国々が石油を売ってもらえるのは株や為替などの金融テクニックが上手かったからですが、それに対して日本人はそういう金融テクニックが下手な割に売ってもらえたのは真面目にいいものを作るといった誠実さが評価されたからです。

 これからの時代、株や為替などの金融テクニックで外国の資源を輸入するといったやり方は通用しなくなると言われています。世界中の国々が社会に必要なものを生産しなければもう何も取引してもらえない時代になります。そして日本の場合は貿易をしてもらうための鍵となるのは親日感情だと思います。


 信頼関係は資本です。信頼関係によって取引してもらえるだけでなく、仕事を紹介してもらえたり、有力な情報を教えてもらえたり、人を紹介してもらってまた新しい信頼関係を作ることもできます。

 そういうやり方がこれからの国際ルール、ニューワールドオーダーになると思います。


 なので絵を描く人はサウジアラビアにもっと興味を持ってほしいと思います。日本でイメージいいビジネスとか儲かりそうだと思われてるといったことに囚われず、平和で豊かな社会を作るために適切なことは何か考えて欲しいと思います。


 と言っても僕自身も今はそういう大きなビジネスはできないのであまり人のことを言えませんが、これからも平和に役立つアイデアを探したいと思います。