世界が新しくなる今を
ともに見つめるあなたへ
梅雨明けはまだの関東地方
ですが、ここのところ雨が降りだすのは夜から明け方にかけてが多くて、
昼は晴れ間がみえるのがありがたいことです。
この前、映画『国宝』を見にいった話を書きました。
そして、その迫力から原作の
展開も気になったのです。
読み終えました。
上下巻800ページ越えの長編
とは感じさせません。
一気に読み通させる魅力があります。
これは映画の約3時間上映が
瞬く間に過ぎたのと全く同じ。
惹きつけるパワーが
原作もあふれていました。
*吉田修一『国宝』朝日新聞出版より
吉沢亮の表紙カバーを外すと
イラスト版があらわれます。
この妖しい美しさがいい。
どこかで見たことがあると
感じて確認してみたら
カバー装幀=仁木順平
カバー装画=岡野玲子
とありました。
夢枕獏氏の『陰陽師』を
描いたあの岡野玲子氏でした。
繊細で妖艶な絵を描くので惹かれます。
一流の小説『国宝』
その表紙にまさにふさわしい画です。
李監督が映画『国宝』は
原作のダイジェスト版にはしないと言った通り
内容は若干、違います。
映画には登場しない
喜久雄の幼馴染、徳次
亡き父親の弟分、辻村
俊介の息子達
春江の毒親など
いずれも重要な人物達が登場し群像劇としての味わい深さがありました。
*映画『国宝』パンフレットより
映画は、俊介と喜久雄の関係性に焦点をあてていました。
原作は、喜久雄と関わる人物達の人生をより深く知ることができました。
どちらも濃密で壮大な物語で
あるのは変わりません。
読み終えてしばらくは
その世界に浸り呆然としていました。
映画が終わったとき
誰ひとり言葉もなく
立ち上がりもせず
観客席に沈みこんでいた情景に重なります。
エンドロールで
主題歌 Luminance
が滔々と流れてきたのが思い出されます。
別世界から現実にもどって来るための時差を埋めるひととき。
主題歌 Luminance
作詞:坂本美雨
作曲:原摩利彦
歌唱:井口 理(King Gnu)
"ああ ここは
痛みも恐れもない
声も愛も記憶もかすれて"
それは主人公の喜久雄が
もがき傷つきながら
全てを犠牲にして
登り着いたところなのでしょうか。
極めたひとだけに見える
神秘的な世界
どんな風景なのでしょうか。
原作を読んで印象に残ったことがあります。
春江が梨園の御曹司である
俊介もまた堅気の人間ではないのだと思い知らされる場面です。
原作では次の様に書かれています。
"堅気とヤクザの違いとは
世間のイメージとは少し違うところがありまして、
真面目なイメージの堅気の方が実は要所要所できちんと手を抜くことができるのでございます。
一方、堅気でない人間は、なぜか総じてそれができませんので、結果、何をやっても自滅するのでございます"
原作者である吉田修一氏は、
極道も梨園も同じとは言わないまでも、共通する部分があるとしているのが興味深いです。
"百かゼロかの生き方をすると
逃げ出さなければいけなくなる"とも書いています。
私達はロボットではないから
目的まで辿り着くためには
たまに力を抜いて休む必要があります。
国の宝になるほどの人は
常に百で生きる厳しさでも
逃げ出すどころか楽しめる
稀な人間なのでしょう。
🌿🌿🌿🌿空からの言葉🌿🌿🌿🌿
但し、過去に受けた方および講座を受講した方は例外となります。










