自治体のリスク管理は必要か。 | 鈴木精一オフィシャルブログ「ピカイチのブログ」Powered by Ameba

自治体のリスク管理は必要か。

自治体のリスク管理は必要か。


リスク管理を経営に取り入れることは一般の企業では当たり前のこと。リスク管理なくして会社経営は成り立たない。だが、自治体が積極的にリスク管理を取り入れていると聞いたことはない。


自治体も自治体経営であるかぎりリスクを予見し、管理し、対応に努めていくことは当たり前のことではないのか。



 いま誰の目にも危機が目前に迫っていると感じているのではないか。ヨーロッパに端を発した金融混乱の連鎖は世界的な規模で起こっている。財政悪化が顕著なPIIGSがその発端だが、この混乱はヨーロッパ全域に広がり、更に世界へと連鎖したことはご承知のとおりだ。金融経済といわれるいまの状況下では一国の危機は即座に世界に連鎖する。



この金融混乱が収拾に向かうか混乱の始まりになるか。私見で申し上げれば後者だ。先進主要国のデフォルトへと続く金融崩壊の始まりとなると捉えている。経済・金融情勢を冷静に分析すれば当然な見方と思う。では、行政にその感覚があるかといえば判断に窮する。久喜市が金融崩壊を予見し、その対処に向け行動をとると公式に言ったことはない。「予見は難しい」、「計り知れない」など、体のいい言葉でかわしているのが現状だ。しかし、金融崩壊のリスクを感じていないかといえば、答えは「NO」だろう。


ここからは推測だが、行政も先々の運営に重大な問題が生じる金融崩壊が起こると強く感じている。感じていても行動に移せない理由があるのだろう。その理由は、①横並び意識。どこの自治体もやっていないことに取り組むのは居心地が悪い。判断ミスがあれば責任の所在が明確となり責任転嫁できない。②課益。予算縮減は所管事業の否定。事業の廃止に至っては、課の存亡にかかわる。③楽観主義。退職するまでは無事に過ごしたい。財政破たんは考えたくないとの願望。これらが相まって行政スタンスを決めているのではないか。これらはあくまでも推測。だが的外れではないだろう。行政は目前にある金融崩壊を見て見ぬふり。これがリスク管理と向きあわない元凶だろう。


行政も議員もリスク管理の意識が強いとは言えないが、今後はこの問題との正対は避けられない。正に今、このリスクと向き合わなければならない、「その時」が来ている。「リスク管理は自治体運営の常識だ」となる時代が目前にあると思う。皆さんのお考えはいかがだろうか。



補足

先の議会で自治体のリスク管理について一般質問を行った。

その結果、リスク管理の必要性を認め取り組んでいくこと明言している。