☆『失恋ショコラティエ』の「お山side 前後編」になります…ちょっと、ギュギュッと詰め込みすぎたかも…(^^; というか、はしょりすぎ…??





(O)


 (…え~と…?)


コンビニから、近いって、相葉ちゃん言ってたよね…


どこだろ…う~ん…


あ、あそこかな…新しい感じだし…


あった…!『STAY GOLD』


このお店のチョコが美味しいらしいんだよね…


お店に入ろうとすると…女子高生が店内から出てきて…


『スタッフの人、ヤバッ!』


『ね~♪超ヤバいよね~!』


何が、そんなにヤバいんだろう…??



数人の女子高生と入れ替わりに店内に足を踏み入れる…



薄い紫色を基調とした、お洒落で清潔な感じの店内…



ガラスケースの中には、トリュフやらプラリネやらボンボンショコラ、色んな種類のチョコが並べられていて…宝石のように輝いて見える…



「キレイ、宝石みたい…」


こんなにあると迷うなぁ…


翔くん、何がいいだろ…中にお酒が入ったのがいいかなぁ…


このトリュフ美味しそうだなぁ…


フッと、顔を上げガラスケースの向こうのスタッフと目が合う…


彫刻のように彫りが深い美形のスタッフ…


なるほど…さっきの女子高生のヤバい…の意味はこのイケメンショコラティエか…


まあ、翔くんには負けるけどね~♪


トリュフは、冷蔵庫で3日前後しか持たないらしい…


今年のバレンタインは手作りしてみようかな…


美味しそうだったから、生チョコを買って帰った…



「ただいま~」


「大ちゃん、お帰り~♪」


「あ、相葉ちゃん、STAY GOLD 行ってきたよ♪」


「場所、すぐわかったでしょ?」


「うん、生チョコ買ってきたから、後で食べよ!」


「やった♪」


「あれ?ニノは…?」


「旅行の準備してるよ」


「ああ、明後日からだっけ、新婚旅行♡」


「むふふ♪そ~だよ~♡」


「相葉ちゃんは、もお旅行の準備終わってるの?」


「うん!楽しみすぎて、もう1週間前には済ませた!」


「んふふ♪」




この家は、家主の翔くんの実家で、生前はお爺さんお婆さんも一緒に住んでたらしい…


翔くんのご両親は、所謂、デキ婚で…結婚してすぐ、この家に入ったから、新婚生活が皆無だった…


それで、父親の両親が他界した後、出来てなかった新婚生活をこれから送るんだって、翔くんのご両親は都心にマンションを買って、そっちに住んでいる


シェアハウスは、翔くんのお母さんの案…


お爺さんお婆さんが生前の頃から、部屋数が多くてもて余してたらしく…


そりゃあ、そうだよね…1階にも2階にも個人部屋以外にもお風呂にリビング、キッチンもあって、トイレも2つずつある…


シェアメイトがいれば、1人で淋しくないし、家事の苦手な翔くんも何とかなるでしょって…


今、いるのは、翔くんと僕と、相葉ちゃんとニノと斗真くんの5人…


内、僕と翔くんが恋人同士で、相葉ちゃんとニノは先々月、パートナーシップを結び…今月にやっと2人揃って有給休暇が取れて、1週間の新婚旅行へ…


もう1人、風間くんて人がいたんだけど、転勤になって、先月から2階の4部屋の内、1つ空室で…


今までは、2組のカップルに、独身男が2人…であまり気にしてなかったらしいけど…


さすがに、独身男が自分1人だけになって淋しい!シェアメイト、誰か募集しようよ!って斗真くんが言い出して、門に募集を貼り出したんだよね…


ここの住人は、みんな同性が恋愛対象で…だから、女性不可って書いてあるんだけど…


それでも、問い合わせには女性からの電話が絶えなくて…


貼り紙するのやめようか…て言ってたんだけど…



「大ちゃ~ん!ご飯出来た~!翔ちゃんとニノちゃん呼んできて~」


「は~い♪」



2階に上がり、ニノの部屋へ…


コンコン!


「ニノ~、ご飯出来たって~」


「はい、これだけしたら、下りていきます」


…また、ゲームだな…


1階の奥の部屋に翔くんを呼びに行くと…


「翔くん、ご飯…ぁ…」


誰かと電話してるみたいで…僕を見るとシ~っと人差し指を口元に立てて…


その指で、ちょいちょいと、傍に来るように僕を呼んだ…


翔くんの傍まで歩いていくと、片腕でガシッと抱きしめられ…頬に触れるだけのキスを落とした…


あ…電話の相手の声が聞こえる…


男性で…言葉遣いも丁寧で、ちゃんとしてる人っぽいね…


明後日、家を見に来るのね…


電話が終わると、もう片方の腕も腰に回され…


「…翔…く……ん…ん…ぁ……んんっ…ん~…」


啄むようなキスから、だんだん深くなっていって…


「…押し倒していい…?」


「…うん……ん?あ、ダメ~…!」


「…え、何でよ?」


「夕食出来たって、呼びに来たんだった…」


「あ~、そうか…んじゃ、続きは、また後で♪」


「うん♡」




(S)




 同居人の斗真の要望で、シェアハウスの新しい住人を募集することにした…



てか、女性不可って書いてあるのに、何で女性からの問い合わせが絶えないんだ??



1度、問い合わせのあった番号は、切った後で女性からのはブロックしてるけど、また新たに別の女性からの連絡が入る…


もう、家の門に貼ってある募集の貼り紙は剥がそうかって、言ってた時に、松本潤という男性から連絡があった…


この近くでお店を経営してるらしい…


接客業かな…受け答えも丁寧だし…もう、あとは家を見てもらって、松本くんが良ければ契約…で、いいんじゃね?


ん?あ、智くん…


「翔くん、ご飯…ぁ…」


シ~…と唇の前で人差し指を立てる…


すぐに察してくれて、部屋を出て行こうとするけど、傍に来てとジェスチャーをすると…


傍に来てくれたから、逃げられないように片腕で抱きしめ、智くんの肩に顎を乗せる…


この体勢はマズイか…智くんの首筋の匂いを嗅ぐと、俺のオレがすぐ反応するからな…


軽く、頬にキスを落として、何とか電話に集中する…



電話を終えて、もう一方の腕も智くんの背中にまわし、キツく抱きしめて…唇に深く噛みつく…


「翔…く……ん…ん…ぁ…んんっ……ん~…」


あ~…甘い…もっと、ちょうだいよ…


押し倒して、智くんをいただきます、したかったけど…


夕飯が出来て、呼びに来てくれたらしい…


しゃ~ない、甘くて美味しいスイーツ智は、食後にお預けだな…!



今日の夕飯は、相葉くんが作った炒飯とから揚げと麻婆豆腐…


実家が中華料理店らしくて、相葉くんが夕飯を作る時は中華系が多い…


たま~にパスタ…中華は旨いけどなぜかパスタの時は、味が薄い気がする…


て、俺は作れないから、文句は言えないけど…(^^;


俺以外の住人は、飯を作れるから、本当に助かってる…


智くんの作る料理は絶品なんだよな…何を作っても俺好みの味付けでさ…♪


たぶん、シェアハウスをしてなかったら、コンビニ弁当ばっかだっただろうし、智くんにも出会えてなかったよな…


ニノと相葉くんも、この家でのシェアハウスがキッカケで、つき合ったんだもんな…



翌翌日…



昼間、俺は仕事で松本くんには会えなかったけど…



智くんに、電話で話した通りの感じの良い人だったと聞いたんで、そのまま契約する運びとなった…



店の奥の、ベッドとサイドテーブル位しか置けないほどの狭いスペースに仮住まいしてたらしく、家具家電付の我が家の個室は、お気に召したようだった…



年齢が近いこともあって、敬語はなし、呼び方も松本くんじゃなく、相葉くん命名の松潤と呼ぶことに…


松潤の部屋はニノ、相葉くん、斗真と同じ2階の8畳間…


俺と智くんの部屋は1階だから、夜、どっちかの部屋でイチャイチャが始まっても問題はない…



いつもは、お風呂も1階と2階で分かれて入るから、智くんと一緒に入ることが多い…


浴室でして、そのまま部屋でもするんだけど…



松潤がここに来て、斗真が出張でいないし、ニノと相葉くんも新婚旅行で1週間は家を空ける…


だから、今夜は3人だけだから、1階の浴室で交代で入ろうかって…


もちろん、智くんと2人で入るのは却下された…


別にいいけどね~…どうせ、寝るのは一緒なんだし♪


まさか、そこまで別々にする必要もないしね…


お風呂の順番は、ジャンケンで、俺→智くん→松潤の順に入ることに決まった…



風呂を済ませて、リビングにいた智くんに次、どうぞ、と声をかける…



後で部屋に来てよって言おうとしたら、智くんのスマホが鳴って…仕事の電話らしかったんで、智くんが風呂の時に一声かけるか…といったん部屋に引き上げる…



その間に、智くんと松潤の風呂の順番が変わってたのを知らずに…



俺は、浴室に智くんが入ってると思い込んでいて…


コンコン…


「…っ…??」


入っていったら、怒られるよなぁ…


「…部屋で待ってるから…準備してこいよ…」


と、浴室のドア越しに声をかけて、部屋に戻った…



そろそろ智くんが風呂から出る頃かと思って、部屋の電気を消して真っ暗にして…



ベッドに入り、智くんが来るのを待った…



少しすると、コンコンと部屋のドアがノックされる



「…開いてるよ」と言うとカチャとドアが開けられる…



なかなか入って来ないから、「早く、ドア閉めて入ってこいよ」と言うと…



「…うん…/////」



まだ、松潤が起きてるから、気にしてるのか?



「こっち来て」



そう言って、被ってた掛布団から顔を出す…



ゆっくり歩いてくる気配がする…



傍まで来たのが分かって、焦れて、腕を掴んでベッドに引き込む


「遅せ~って…!」


「…っ…/////」



部屋着を剥いで、抱きしめる…



キスをして、身体中を撫で回す…



智くんだと思い込んでて…



相手が違うなんて、思ってもみない…



けど…




あ…れ…??




いつもなら…この時点で、俺のオレ…



やる気満々なのに…



な…んで…??



何で…何にも反応しない訳!?



おい!



櫻井翔のジュニア!



立て!



立つんだ~…!