(M)


 わ…翔さんの唇って、柔らか~い…


体温、高めなんだな…温かいし、肌もしっとりして、触れるところが気持ちいい…


ああ…やっぱり、この時期は、人肌で温まるのがいいよね…


半年ぶりの○ックス…


ドキドキして…フワフワする…


入れる前の、この抱きしめ合ってキスする時間もいいよね…



「…………………………」



て、あれ……??



翔さんの…激しく背中や腰を撫で回す手が、止まった…



あ、もしかして、入れる前に口でした方が いいのかな…



「…ヤベ…なんで…嘘だろ…」



えっ?何がヤバいの…??



「…たたねぇ…」



ええっ??



「…ごめん、智くん…」


「えっ…??」



今…翔さん……智くん…って、言った??



パチン!



「えっ…」



ガバッ…



眩し…



「…え…翔くん…と松潤?」



智さんが部屋に入ってきて…



「…なんだって!?」



翔さんが、俺から離れて、何度も瞬きをして智さんと俺を交互に見ている…



「…2人とも…なにしてるの?」



智さんの表情がない…



「智くん、これはっ…てゆーか、何で松潤がここにっ??」


「え…お風呂入ってたら、翔さんが部屋で待ってるからって…」


「は?俺は智くんに言ったんだけど…」


「あっ…!」


「何?」


「俺…智さんと…お風呂の順番変わったから…」


「あ…そうだったね…!」


「な…んだ…だから、俺の反応しなかったのか…焦った~…!💦」



て、翔さん…けっこう酷いこと言ってるって気づいてる?(泣)


俺は、慌てて、部屋着を着てベッドから降りる


むう…と頬を可愛く膨らませる智さんに



「智くん、ごめんなさい!」と何度も頭を下げる翔さん…


俺も、「智さん、すいません!」と頭を下げると、


「松潤は悪くないでしょ」と言ってくれる…


「松潤、申し訳ない!」



翔さんにパンイチで土下座されるm(_ _)m



「いえ…俺の方こそすいません…」


思いっきり下心あったし…


翔さんをメロメロにさせるチャンスだって思ってたし…



結果、無反応だったけど…


てゆーか、この2人もつき合ってたなんて…


最初に教えといてよ…!


けっこうショックなんですけど…(泣)


はぁ…



人のモノに手を出す趣味はないし…


なんだよ~…!


「あ、じゃあ、俺…部屋に戻ります…」


「ごめんね、松潤…」


「松潤、ごめんな…!」


「いえ…じゃあ、おやすみなさい…」



!?



部屋のドアが閉まりきる前から、翔さんが智さんの腰を抱き寄せてた…



パタン…



はぁ…今から、この扉の向こうでは…



翔さんと智さんの…



プルプルッと首を左右に振り、2階に続く階段を駆け上がり、自室に戻る…



本当に、何なんだよ~…!



翔さん…



運命の相手だと思ったのになぁ…!



こんなに早く失恋なんて…



最悪じゃん!



え…俺、カップル2組とシェアハウスする訳?


マジで?



独り身には、けっこう厳しい環境じゃない?


でも、ここの家、気に入ってるんだけど…!
  

あんなことあったけど…翔さんのことも智さんのことも好きだし…



けど…とりあえず、気まずいから…


翔さんと智さんと顔合わさないように…



明日の朝は、早めに店に行こっと…




翌日の朝…



いつもより早めに起きて、出かける準備を済ませて、1階に降りる…



たぶん、まだ2人とも寝てるよね…



はぁ…



失恋しちゃったけど…



俺…ここに居ても いいよね…?



店に行こうと、玄関口に行くと…



俺が開けるよりも、先に玄関ドアがガチャっと開く…



「えっ!?」



思わず、少し後退りすると…



また、俺好みの爽やかなイケメンが顔を見せる…



「え…誰?」



あ!もしかして、出張中のもう1人の男性??



「あ、シェアハウスの新しい住人さんだ?」



「はい、松本潤です…」



「ヤバい!何、凄い美形!超タイプ…」



「あの…?」



「俺、生田斗真って言います!松本くん、つき合ってる人います?」



「えっ…?いない…けど…」



「本当に?俺…立候補してもいいですか?」



「えっ…(♪)」



捨てる神あれば拾う神あり…



そういうこと?




そして…




その日から…




俺の、ドキドキのシェアハウスライフが始まった…













END








★ありがとうございます!明日からは、お山編『La Saint Valentin』前後編と番外編を上げていきます