〈S〉


 あ~…ちょっと外回りから戻ってくんの、遅くなったな…

昼飯、外で済ませてくか…何、食べるかな…

ん?

あの行列って、先月オーブンした カレー専門店だよな…

オープン当初よりは、行列も短くなったか…?

並ぼうかどうしようかと思った時に…


「次のお客様、ご案内致します!」と、店のスタッフが扉を開け、店内から漏れたカレーの匂いに腹が刺激される


てか…このスタッフの人…可愛くね?


そういや、オープンしてすぐ食べに行ったって後輩が…カレーも超旨いし、スタッフもイケてたって…

1度、櫻井さんも行ってみてくださいよ!なんて、言ってたっけ…

何度も店の前は通ってるけど、いつも行列だしな…


もう少し、行列が落ち着いたら、行くわって言って…なかなか足が向かなかったんだよな…


ちょっと…並んでみるか…


別に、スタッフさんが可愛いかったからじゃなくて…純粋にカレーが食べたくて… って、誰に言い訳してんだ、俺…(苦笑)


カレーだし…回転率は早そうだけど…まだ少し待ちそうだよな…


「次のお客様~」て、さっきの可愛いスタッフの声に、つい視線を向けてしまう…


え……こっち見て笑った…?


ふにゃりとした笑顔に思わず固まってしまう…


て、別に俺に笑いかけた訳じゃね~か…


きゃ~…可愛い~

もう1人の従業員も可愛い~よね♪

店長さんもカッコいいのよね~


前の方に並ぶ女性の声が聞こえてきた…


どうやら、スタッフはイケメン揃いらしい…


カレーも旨いんだろうけど、この行列は、スタッフ効果もあるのかもな…


少しずつ並んでる前が、短くなってきて、スタッフが客に声かけする姿も だんだん近くなってきた…


あ…また 目が合った…て、俺が見すぎてんのか…?(笑)


てか、ヤベェ…このスタッフ…超可愛い…/////

男性だよな…?そうだよなぁ…


俺の前の前で並んでる人が、「お待たせしました~」と店内に入っていく…


また、そのスタッフと目が合ったと思ったら…


「すいません…もう少しお待ちくださいね…」て、ハの字眉で言われて…


こんな可愛く言われたら、「はい」(どんだけでも待ちます!)って…文句 言うやつもいないだろうな…


次の次だな…もう、間もなくだろ…


少しすると、店内から「ええっ…」て、さっきの可愛いスタッフさんの声が聞こえてきた…


なんだろ…何か あったんだろうか…?


俺の前後に並んでる客も、どうしたんだろうって店の出入口の方に視線を向ける…


2、3人後ろの方から、『売り切れたか…』て聞こえてくる…


あ…そういえば、後輩が 早めに行かないと売り切れますよって言ってたっけ…


そして、その可愛いスタッフさんが…ハの字眉をもっと、下げて「ごめんなさい!ルーがなくなってしまいました!」て、ペコって頭も下げる…


まあ、なくなってしまったもんはしゃ~ない…


でも、すっかりカレーの口になったし、Co○壱でも行くかな…


いや、今日は別の物 食べて、明日リベンジするのもアリか…?(笑)


「すいません、こちら期限はありませんので、次回の来店時にご利用ください!」


そう言って、渡されたのは割引券で…見ると半額の割引券だった…


マジか…入れなかった客に半額券?ちょっと、サービスし過ぎじゃね~の?


『やりぃ!100円の割引券だ♪』

『また、来ますね~』


え…?100円引き…?


俺のは、半額の割引券なんだけど…これ、間違えてんじゃね?


「すいません!またお越しくださいね!」


割引券を貰って 帰ってく客に 頭を下げてるその可愛いスタッフに…


「あのっ…俺の…これ…」と、貰った半額の割引券を返そうとすると…


「あっ……んふふ♪」


えっ??


そのスタッフさんは、ふふって 可愛く笑って…


人差し指を唇に当てて…「ナイショ♪」て、これまた可愛くウインクをした…


えっ?えっ?ええっ~?/////


「…あ…の… いいんですか?」


もしかして、100円引きと半額の割引券、ランダムに配られてる…?


「んふふ…お兄さん、イケメンだから♪」


「えっ??/////」


「また、来てくださいね」


「あっ、明日 また来ますっ」


「なくなっちゃうから、もう少し早く来てくださいね」


「はい!絶対 来ますっ」


「んふふ…お待ちしてます♪」


カラン♪


『さとし~!レジ~!』


店内から、呼ばれてる


へぇ…さとしくんって いうんだ…


「はぁい」


「あ…じゃあ…また…」


「はい…あっ…」


「えっ?」


「お兄さん…名前、なんていうんですか?」


「あ…櫻井…翔…です」


「ふふっ…しょおくん?」


「はいっ」


「じゃあ、しょおくん、また明日ね」


「あ…また…ね…さとしくん…」


「え…僕の名前…」


「さっき、他のスタッフさんに呼ばれてたよね」


「あ…そか…」


「…名前で呼んじゃダメだったかな?」


『さとし~!レジ~!』


「はぁい!」


「あ、引き止めてごめん…じゃあ…」


その場を離れようとすると…


「しょおくんっ」


「え?」


振り向くと…ふにゃりと笑った さとしくんが、


「…ダメじゃないよ」


「えっ…あっ…」


名前で呼んで…いいってこと?


さとしくんは、小さく手を振りながら、店内に入っていった


俺は少しの間、その場から 動けないでいた…


え…何…この展開…


別に 可愛いスタッフさんに名前で呼ばれただけで…


てか、フレンドリーな接客を心がけてるとか?


お客さん…ルーが無くなるほど 来るんだもんな…


俺の名前も…明日には忘れてたりして…


いや…


プルプルっと頭を振る


とりあえず、覚えてもらうために…毎日、ここに来るぞ…!


毎日、昼飯 カレーか…う~ん、まあ、週2、3回くらいで…


グウ…


ヤバ…昼飯…


今日は、駅裏の 喫茶店 行こっ




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


★こんにちは!いつも、お話、読んでくださってありがとうごさいます!


このお話は、最初は、超短編のつもりで…

なので、テーマ『愛のcollection』で上げる予定でピコピコしてたんですけど…

あれ?1話で終わらない…と、前後編にして…

ピコピコ入れてると…前後編も無理っぽい…

で、上中下としたんですけど…あら…もう1話 続いてしまう…

けど、全4話で終われそうかな~って…


そうなると、超短編じゃないじゃん!と…

テーマ『お山の短編妄想』に移したんですけど…

待てよ…だったら、ちゃんとお話の題名 考えなきゃ いけないじゃんって…(^^;

ご存知の方もいるかと思いますが、この題名 考えるの…本当に苦手でして…

嵐さんやB'zさんの曲を聞いてる時に、思いついたお話なら、曲の内容に関係なく…

お話を思いついた時に聞いてた曲の題名、そのまま付ければ いいんですけど…

これは、そういうのではなくて…超短編のつもりだったし…サブタイトル的なのを付けてだけで…

けど、このお話に限って、何にも題名が思いつかず…また、読み手の皆さんのお力借りる?とも思ったんですが…

なぜか、この手のお願いに…あたしのお話を読んでくださる方々は、消極的なんですよね…(^^;

なので、サブタイトルのまま…

テーマ『Im in  love ?』に移すことにしました…

ここのカテゴリーに入れるお話は、長くても全3話位でって考えてたんですけど…

上手くいったところでENDにしてるし、サブタイトルのままでいけるし…

ここが無難かな…と…


テーマが決まらず、あちこちしてたら、再メンテナンスで…

なんか、暫く下書きに 入れっぱなしになっていたお話ですが…


漸く投稿することが、出来ました…!


そして、こんなどうでもいい 裏事情まで読んでくださった方、ありがとうごさいます!