★前回から1ヶ月以上 空いてしまったので、1つ前の お話 貼りつけますね…




〈O〉


  金曜日の昼休み…


週末なので、その日は 翔くんと外に食べに出た


ランチを終え、会社に戻ってくる


「僕、ちょっと トイレ行くから、先に戻ってて~」

「わかりました」


トイレを済ませて、デスクに戻る…

あれ?

翔くんが いない…

トイレ…な訳 ないよね…

そうだったら、さっき一緒に行くよねぇ…


部署内を 見渡すけど 見当たらない…


どこ行った?


キョロキョロしてると 別グループのニノと目が合って、ちょいちょいと指招きされる…


「何?」と傍に行って聞くと…

「櫻井くんなら、岡田くんに 何か言われて出ていきましたよ」

「あ、そうなの?」


岡田っちめ… また、翔くんに 頼みやがって…


てか、ニノ… 何も 言ってないのに なんで 翔くん 探してるって わかったの?


て、聞いても どうせ 見てたら わかる…とか 言うんでしょ…


そんな事より、翔くん どこ行ったのか 聞かないと…


「岡田っち!」

「何だよ?」

「翔くんに、何 頼んだの?」

「ああ、悪いな…ちょっと仕事で使う 資料 探してきてほしいって頼んだんだよ…」


だから、僕に 言えっつ~の!


僕は、1階下の 資料室に 翔くんを 探しに行く…


ここの資料室、無駄に広くて 図書館みたいに 棚が並んでて、棚と棚の間、奥 行き止まりだったり 抜けれたりして ちょっとした迷路みたいになってるんだよな…


資料室の扉の前で、ちょっとした イタズラを思いつく…


そ~っと 入って行って、翔くん 驚かせちゃお♪


目、まん丸くして、 驚く 可愛い 翔くんを想像して、ふふっと… 笑みが溢れる…


資料室のドアを静かに開けて、身を潜ませる…


高い棚が ひしめき合う…部屋の中を 棚の隙間から 翔くんの姿を 探しながら 進んでいく


確か、この奥は 抜けれたはず…


ん?


なんか… 声が 聞こえたような…?


『―――――――』

『――――――――――』


小声で  聞こえないな…てか、翔くん以外にも 誰か いるの…?


声が した方に 足音を たてないように進むと…


!?


え…?!?


『…んっ……んん……


棚の隙間から 覗いて 見えたのは…


部屋の隅で…


抱き合い キスをする…


知らない社員の人達…


ていうより、ここからだと 誰かわからない…


わかるのは…


抱き合いキスしている2人は…


男同士 だってこと…


こ… こんなところで…まさか…


いや、もしかしたら…


あまり人も来ないし、隠れるような場所が多い資料室は…


そういうシチュエーションには、この部屋は 格好の場所なのかも しれない…


ど…どうしよう…


じゃなくて…


翔くんは、どこ?


もしかして… もお 頼まれた資料、見つけたとか?


『…んん…っ……


声が 漏れて 聞こえてくる…


とりあえず、この場から 離れよ…


!?


「…んんっ…?


突然、後ろから、口を塞がれ、腰に 腕を回された… 誰っ?


「…静かに…


この声… この匂い…翔くんだっ


ドキドキドキドキドキ…


この状態…翔くんにバックハグされてるみたいじゃん…/////


声…出したら、奥の2人に 気付かれちゃうよね…


…暫く このままで…


翔くんが そう言うので、無言で コクンと頷いた


ドキドキドキドキドキ…


「「……………」」


てか… 奥の2人… いつまで キスしてんだよっ…


翔くんと この状態…


嬉しいけど… ちょっと…


翔くんの吐息が 耳にかかって…


変な気分に なってくる…


…智くん…いい匂いがします…


ゾクッ…


ヤ…バい… 翔くんの声で…耳元で 名前 呼ばれるのは…/////


!?


首筋… 翔くんの唇… 触れてない…?/////


…智くん……俺……


そっ… それ以上は…っ…マズイ…/////


下半身に 力が 入らない感じで…


膝が カクンと なるのを翔くんが 支えてくれてるけど…


カタッ…


あ…しまった…



「…っ…」


ガタガタ…


バタバタバタバタ…


ガチャ…


パタン


奥の2人が、物音に気づいて 慌てて ここを 出ていったみたい…


「「……………」」


少しの間、そのまま フリーズしてたけど…


「…しょ…くん…苦しいっ…」

「あ…大野先輩、すいませんっ…」


パッと 口を塞がれてた手を 離される…


苦しいのは…息じゃなくて… 胸の方だけど…/////


あっ…


ホッ… 腰… 大丈夫みたい…!


翔くんと密着してて… 腰 砕けると思ったよ…/////


てか…大野先輩に戻ってるし… さっきは、智くんって 言ってたのにな…


じゃなくてっ… 資料だっけ…


「あ、岡田っちに頼まれた資料…あったの?」

「それが…探してもなくて… もしかしたら、奥の方かなって、見ようとしたら、あんな事になってて…/////」

「ああ…」

「さすがに、ジャマするのも悪いかなって…」

「まあ、そお…だよね…」

「動けずにいたら、大野先輩が 来てくれて…」

「結局、音 立てちゃったよね…」


もう少しだけ、あのままで いたい気もしたけど…


「おかげで、資料 探せます♪」

「あ、そうだった…一緒に 探すから、奥の棚 見てみよ」

「はいっ」


さっき、キスしてた 社員が 居たら辺の棚のファイルの背表紙を 見ていく…


「あ、あれじゃないかな?」

「ありました?」

「うん…ちょっと 届かないな…」


くっそ…なんで、また あんな高いところに…


あ、確か その辺に 踏み台が あったよな…


「どれですか?」

「え…と、あ…れ…」


すぐ 僕の後ろに 翔くんが 立った…


「あ、これですね」


その位置から 少し背伸びをして、翔くんが そのファイルを 取り出した


「そ…これ…/////」


距離感っ…/////


「あ…すいませんっ…/////」

「…ううん…/////」


ファイルを取った 翔くんの方に 顔を 向けると思ったより 近くに翔くんの顔が あった…


「あと、こっちの資料も 必要かも…」

「あ、持ちますっ」


資料室を 出て、部署に 向かう


そういえば…


さっき、資料室で…


『…智くん……俺……


翔くん、何か 言いかけなかった…?



岡田っちに 頼まれたファイルと資料を 渡して、デスクに戻ってくると…


「大野先輩、手伝ってくれて ありがとうございました!」

「え、いや…全然…」


手伝った内に 入らないよね…


でも… 翔くんに密着出来て…ドキドキしたけど…


ちょっと 嬉しかったかも…/////


「あの… 今日… 飲みに行きませんか?」

「うん、いいよ」

「本当ですか?」


『…智くん……俺……』



あの後… なんて、言おうと したの…?


「あ…僕ん家で 飲む?つまみ、なんか 作っても いいし…」

「えっ!作ってくれるんですか?」

「うんうん」

「行きますっ」



翔くん…



あの続き…



聞かせてくれないかな…