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  今日は新人の歓迎会…


歓迎会は 各フロアの部署ごとに 開かれる


今回の会は、営業部、営業事務、経理部の合同になる


今日は、残業は無し…皆 定時で 上がり、いつも会社の飲み会で使われる お店に集合となる…


翔くん、ニノ、相葉ちゃんとお店に向かう


お店に着き、店員さんに お座敷に案内される


端っこの方で 大人しく飲もうかって、入ってくと…真ん中ら辺の壁際に 陣取ってる 松兄に呼ばれる


「智達、こっちに来いよ!一緒に飲もうぜ!」


松兄と一緒に飲んだら、翔くん達 どんだけ飲まされるか…

ニノと相葉ちゃんと翔くんが どうする?どうします?って言ってるけど、


「行かなくて いいから!」

「えっ…」

「いいんですか?」

「いいの!」


あっかんべー して、お座敷の出入り口付近の 端っこの方に 移動する


「智っ、お前な~…」


翔くんと相葉ちゃんは、すいません、すいませんって 松兄に 謝ってるけど… 


どうせ、あとで 飲まされることに なるんだからいいんだよっ…


端っこの席に、僕と翔くん、向かいにニノと相葉ちゃんで 座る


少しだけ 遅れて 岡田っちと松本くんが来て、松兄の近くに 座らされてた…

ま、あの2人は営業部だからね…


あとで 遅れて参加の人も いるみたいだけど、とりあえず、上司の乾杯の挨拶で 会が始まる…


翔くんと相葉ちゃんに 挨拶がてら、軽く 1周しといで と 声をかける


2人とも ビール瓶 片手に 「「いってきます」」と 席を外した…


上司に挨拶してる時は いいけど、松兄の席に 翔くんが 行った時だけ、睨みをきかせる…


あ~あ~…翔くん、飲みっぷり 良いから、2度も注がれてるじゃん… チッ 松兄め…


やっと 解放されたか… 次は 相葉ちゃんが 餌食になってるな… ニノが 心配そうに 見てるよ…(笑)


あ…翔くん、戻ってきた♪


「おかえり~」

「ただいま…1周しただけで、けっこう 飲まされましたよ~」

「もお、動かなくて いいからね」

「いいんですか?」

「いいのいいの、新人歓迎会なんだから…」


「ただいま戻りました~♪」

「相葉くん、大丈夫?」

「空きっ腹に ビールは まずかったかも…」

「みんな、飲ませ過ぎなんだよ…」


「ちょっと、こっちに 混ぜてください」と、松兄の 近くに座ってた 松本くんは 僕らの席の方に避難してきてた


「もお、ゆっくり 食べよ食べよ…」

「はい」

「やっと食べれる~」


もうね、一通り 挨拶して回ったら あとは自分の席で ゆっくりすれば いいんだよ


もう昔みたいに、新人歓迎会は、飲み方や、上司への振る舞いを見る 新人さんの品定めの会かじゃないんだからね…

うちの会社を選んでくれて ありがとう、歓迎しますよ!の会なんだからね…!

て、これは 自分が新入社員の歓迎会の時に、気が利かない新人がいるなって言う上司にムカッときて…

偉そうに 叔父さんに 言ったら、確かにそうだなって…


うん、翔くんも相葉ちゃんも松本くんも リラックスして 飲み始めたね♪


「大野先輩、これ 旨いですよ♪」

「どれ~?」

「これです♪」


と、箸で摘まんで 僕の口に運んでくれる


「ん… うま~ぁ♪」

「ですよね♪」


歓迎会では、まだ 大野先輩で 敬語だけど…

あ~んは してくれるんだ…(笑)


ん?なんだろ…向かいに座ってる 松本くんに 凄い 見られてる気がする…


「…松本くん…なに?」

「えっ… いや…お二人って…その…/// つき合…いえ、何でも ないですっ…」


??


何でも ないなら、いいか…


ニヤニヤしながら ニノが 松本くんに…


「この二人は 普段から こんな感じなんですよ」

「あ、そうなんですね」


こんな感じって…どんな感じだよ?僕と翔くん、なんか した?


「大野先輩、次、何 飲みます?」

「えっとぉ…なにが あるんだっけ…」

「ビール以外にも 色々 ありますよ♪」


ドリンクメニューを 開いて見せてくれる


「翔くんは、どうするのぉ…?」

「俺は…酎ハイに切り替えようかな…」

「んじゃ、僕もぉ…」


「じゃあ、俺も おかわりするから、みんなのまとめて 頼みますよ」


と、僕と翔くん、ニノと松本くんと 自分の分をまとめて オーダーしてくれる 相葉ちゃん…

あっ…と ドリンクを溢すと、透かさず  おしぼりで 拭いてくれて…

店員さんに 新しいおしぼりと またドリンクをオーダーしてくれる松本くん…

僕のお世話を しながらも、近くの席に 座ってる先輩方の グラスが 空くと 次は どうされます?と 声をかける翔くん…


品定めするつもりは ないけど…今年の うちの部署に来た 新人くん達は 優秀だよね…♪


んふふ…


いつもは 歓迎会や送別会、忘年会とか…会社の飲み会は 一次会だけ 顔出して さっさと帰ってたけど…

翔くんいるし…何だか 楽しいし…


今日は 二次会までは 行っちゃっても いいかな~♪


んふふ…♪


二次会は カラオケだってさ…

部長や課長は 帰っていった…


「大野先輩、まだ飲みます?もう お茶かジュースにしときます?」

「まだ飲めるよぉ…」

「大丈夫ですか…?」

「だいじょぶだよ~…翔くん、もお 敬語、いいんじゃないの?」

「え…でも…」

「じゃないと、返事しな~い」

「えええっ…」

「大ちゃん先輩、飲みすぎじゃないですか?」

「そんなことないよぉ」


いい気分だけど…


でも、ちょっと、 回ってきたかも…


てゆーか… 眠くなってきちゃった…



…智くん…智くん…


あ…翔くん… 智くん呼びに 変わったね…


んふふ…♪



…智くん…


ん… 翔くん…


そうやって…


ずっと 智くんて… 


呼んで…





◇◆◇◆◇



ん… 喉… 渇いたな…


ガバッ   



あれ… 歓迎会…


二次会 行って… その後 どうしたっけ…


僕、どうやって 帰ってきたっけ…


帰ったっけ…


違う… 僕ん家じゃない…


ここ… どこ…?


真っ暗で… よく見えない…


な…に…!?


なんで… 僕、下着しか 履いてないの?


てか… 誰か… いる… 気配が…


「…さ… 寒い…」

「えっ…」


この声… 翔くん…!


あっ…


「…!…/////」


掛け布団と 一緒に…僕も 翔くんの腕の中に…


えっ?


えっ?


えええ~っ!?


でも…


翔くんの腕の中…心地いいよ…


酔ってたからってことで… また寝ちゃえ…



そして…




翔くんが 起きた時に…


恐る恐る…


なにが あったのか 聞いてみる


二次会の 途中で 僕が寝て…


起きそうにないから、そのカラオケのお店から近かった 翔くんの家に 連れてきてくれて…


下着だけなのは、僕が 暑い 暑いって 脱いだんだって…


翔くんにも 脱げって 言ったらしい…/////


な…なんにも、無かったよね…


僕… やらかしてないよね…


そう聞いたら…


翔くんが 真っ赤に なって、挙動不審になる…


嘘ぉ…



僕… なにか… やらかした…!?