★このお話はリアル設定で、「わるいゆめ」の智くん視点の お話になります…少し…題名の歌の歌詞に 内容が引っ張られてるかな…(^^;



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〈O〉


  「「カンパ~イ♪」」


もお 何度目の乾杯だろう… 


けっこうな量 飲んでるよね…


「んははっ…」

「んふふ…」


久しぶりの翔くんとの サシ飲み… 
 

美味しいお酒いただいたからって… 明日は休みだし、たまには ゆっくり飲もうよって、連絡があって…


夕飯に 何か作ろうとしていたところだったから、それなら 家に来る?ってね…


2人で会ったりしない方が いいのかなって 思ってたけど…


翔くんが来た時に、


「ただいま~…なんてね(笑)」


なんて 言うから、一瞬 どう反応しようか 迷ったけど…


「おかえり~…なんてね(笑)」て、笑って返したら、翔くんの凛々しい眉毛が 情けなく下がって…


それを見たら… 何か、2人きりで会わないようにした方が いいかなとか…色々 考えてたの…


もお いいか、なんて 思った…


翔くんとの楽しい時間…


2人ともご機嫌で、あの頃に 戻ったような錯覚に陥りそうになる…


だって…


翔くんが おいらを見つめる瞳が、少しも 変わらないから… 変わらないはず ないのにね…


けど… 同じじゃなくて いいから… こうして…また 笑って見つめ合える この時が 嬉しいよ…


ふと 気づくと、翔くんが酔って 眠ってしまった


お酒に強い翔くんが、おいらより 先に潰れるなんて 珍しい… 疲れてるんだろうか…


起こして タクシーを呼ぶべきなんだろうけど…


明日 休みだって 言ってたしね…


少しだけ…寝かせてあげたい…


こんな近くで 翔くんの寝顔を見るのも 久しぶりだね…


ソファーに凭れて、中途半端に傾いてる体を…


そ~っと 寝かせて、おいらの膝に翔くんの頭を乗せて… ブランケットを かける…


ほんの少しだけ… 


おやすみ、翔くん…


翔くんの寝顔と… 今までの…翔くんと過ごした いくつもの場面を 肴に…

残っているお酒を 少しずつ 口に運ぶ…


ん?何か… 翔くん… 唸ってない…?


何…? 何か…


嫌だ~…無理~…って…寝言…?


何か、夢 見てるのかな…


「…智くん…智くんっ…」


え…おいらの夢 見てる…?


何か…あまり 良い夢じゃなさそう… うなされてるし… 起こしてあげる…?


「翔くん、翔くん…お~い!起きろ~」

「…んっ…ん~~っ…」

「…翔くんっ…!」

「えっ…」


おっ!


「やっと 起きたぁ…!」

「えっ…」


何か… まだ 寝ぼけてる…?


「大丈夫?ずいぶんうなされてたよ…」

「だっ…て… 貴方がっ…」


やっぱ おいらの夢 見てたの…?


「おいらが なに?」

「…~と… すぅ~…」 


えっ!?   寝たよっ…


相当 疲れてるのか…


もう少しだけ…


このまま 寝かせても いいのかな…


何か…唇 尖らせて…ブツブツ言ってるよおな…


少しすると…


翔くんは 眉間に皺を寄せて… 険しい表情に なったかと思ったら…

また う~んう~んと 唸りだす…


今度は、どんな夢 見てるの…?


サラリと翔くんの前髪を 撫でるように流す…


また少しすると 呼吸が落ち着いてきたみたい…


もう… 嫌な夢は 見てない…?


ん?


口がムニュムニュ し出したと 思ったら… 


「…あれ?花束は?」って… 寝言…?

「花束?」て、聞き返してしまう…


「貴方に…花束を…」

「何で おいらに…?」


て、寝言に話しかけて いいんだっけ…?


てか、おいらに花束って訳じゃないか…何の夢 見てんだろ…?


翔くんの寝顔を マジマジと 見る…


今度は 笑ってるよ… 


んふふ… 何なの?(笑)


まあ、幸せそうな夢 見てるなら、いいか…


ニヤけた寝顔の翔くんを見ながら ふと思う…


翔くん…


あの頃…翔くんに してあげられた事… もっと あったのかも しれないね…


今さら…もお 遅いか… それでも…


おいらにしか 出来ない事も あるでしょ…


自分でも バカだと思うけれど… 出来るのなら…


戻りたいって 考えてしまうことも あるんだ…


「智くん…!」


ビッ…クリ したぁ…  あ、また 寝言?


「なあに?」と、また返してしまう…


「俺、智くんを 愛してるよ…!」


!?


翔くん… 起きてる…? 訳ないか…


「おいらも… 翔くんを愛してるよ」

「俺には、貴方だけだよ…!」


…つき合ってた頃の 夢でも 見てるのかな…


「うん、おいらには、翔くんだけ…」


穏やかな顔をして 寝言を 言う 翔くん…


「この先…何があっても…俺が愛してるのは、貴方 1人だよ…!」


嘘つけ!

まぁ…夢だもんね… つき合ってやるか…


「うん…おいらも…翔くんだけ 愛してるよ」


そう言うと…翔くんのイケめた顔が、一気に破顔する…


んふふ… こんな デレた翔くん…久しぶりにみるな…


これ…おいらから 言ったら…返ってくるんだろうか…? 


眠ってるのなら…ちょっと… 言ってみる…?


「翔くん、愛してるよっ…」


愛してるよ… なんて…


もお… 起きてる時には 絶対言わない 言葉…


「智くんっ、俺もっ…」


嘘… 返ってきた…!


何か… まだ 口 動いてるよ…


そのあとも…


暫く、幸せそうな翔くんの寝顔を 見ていた…


んふふ… 


ずっと…


こうして…見てたいけど… 
 

幸せな気分に してもらえたし…  


そろそろ 起こさないとね…


「翔くん、翔くん!翔くん!」


翔くんの耳元で 名前を呼ぶ…


「…えっ…」


パチッと 目を覚ました 翔くんは…


さっきの寝顔と 同じように…


幸せそうに 笑って…


おいらを 見つめた…








  END