〈O〉
『お届けものです』
何か届いた…
でかっ!なんだ、コレ?!
開けてみると…
え?
コレって…
説明書?と手紙も入ってる
『大野様
先日 お話した 私共が開発したアンドロイドです
ご指定の 外見で、基本的なことは設定済みですが、学習型のAIを搭載しておりますので、大野様 好みに育てていただけたらと思います
メンテナンスの必要はないと思われますが、不具合が生じた際は ご連絡下さい』
あ…嘘…
少し前に 仕事関連の 何かのパーティーに参加した時に 知り合った…
そういや、アンドロイド?だかAI?だか よくわかんない 話 してたな…
そうだ…それで 一体 プレゼントしてくれるって言ってて…
酔ってたから よく覚えてないけど…どんな外見がタイプか 聞かれた気がする…
え~と…
アンドロイドをケースから出す
わ…人間と変わんないじゃん!
凄いんだなぁ…!
耳の後ろに…電源みたいなのがあるのね
てゆーか…
今 まだ 目 瞑ってるけど…
このアンドロイド…
耳の後ろを 押してみる…
あ… 目が 開いた…
やっぱりか…
ご指定の外見って…
そおだよね…
おいらの 好みの外見のタイプって…
「翔くん…」
翔くんと同じ顔…背の高さも…体型も…そのまんま…
『大野智様、お初にお目にかかります』
!?
あ、基本的な事は、設定してあるんだっけ…
とりあえず…服っ
スウェットを 着せる
おいらのじゃ小さいみたいだな…
あ、これ 翔くんに いらない服 貰えば いいんじゃない?
くれるかな…なんで?って言われるかな…
ま、その辺は 適当に…
『大野智様』
あ~…それ やめてほしいな…
「おいらのことは、名前で呼ぶようにね」
『智様』
「それは ダメ!様 いらない!」
『智』
う~ん…最近、翔くん おいらのこと「智くん」じゃなくて、「大野さん」とか「兄さん」だからなぁ…
「智くん…」
『智くん』
「それが いいな♪」
「畏まりました、智くん』
なんか…堅苦しいな…
「それ…敬語、やめれる?」
『可能でございます』
「じゃあ、タメ口でお願い」
『わかったよ、智くん』
ドキン…!
うわ~…アンドロイドの翔くんにときめいて どおする!
自分の名前は…設定されてるのかな?
「名前…あるの?」
『智くんが 決めてよ』
あ…名前は おいらが決めるのか…でも…やっぱり…
「櫻井翔…」
『櫻井翔、アップデートします』
「…翔くんて呼ぶね」
『いいよ』
何か…本物の翔くんと一緒にいるみたい…
こうして、おいらとアンドロイド翔くんの…
奇妙な共同生活が始まった…