個人名っぽいですが、グループです。


 オーストラリアのロックバンド•Sebastian Hardieが1975年に発表した1stアルバム。オーストラリア最古参のプログレバンドの始まりとなるアルバムだ。


 1967年にシドニーで結成。中心メンバーはベース Peter Plavsic。1973年にシングル"All Right Now" でメジャーデビュー。デビュー当初はプログレ要素は薄かったが、プログレ指向のギタリスト Mario Milloの加入と、Mike OldfieldのTubular Bells の影響を受けてプログレ路線へと舵を切る。1stアルバムとなる本作はKing CrimsonやYes等の英国のプログレバンド作品を参考にしたコンセプトアルバム方式となっている。


 プログレハードを起点としたシンフォニックな作風が特徴だ。劇的にほとばしりながらも繊細なシンセサイザーがこの作品の世界観の中枢となっている。ここに爽やかだがコブシが効いて力強いボーカルと哀愁漂う泣きのギターが合わさり、シンフォニックにマッチしたファンタジックで穏やかかつメリハリのしっかり効いたバランス良いサウンドが作り出されている。


 前述したメリハリについて掘り下げてみる。

変拍子や転調を多用することで作品全体のマンネリを回避しているのだが、不穏や堅苦しさはなく爽快でコミカルな印象は一貫している。トラック1〜4 "Four Moments"は4部構成の組曲となっており質実剛健なサウンドだが軽やかな足運びのベースと表情豊かで目立ちすぎないドラムを基盤としてメロトロンやボーカルの耽美な変化やエッジの効いたギターを楽しむことができる。シングルB面由来の日本盤ボーナストラック7 "Day After Day"ではブルース調のハードボイルドな曲調も盛り込んでおり、作品の印象を壊さない絶妙なラインを攻めていて、実に芸達者で面白い。


 奇を衒わない爽やかな作風の中でも、しっかり癖を見せつけてくる奥深い好盤だ。シンフォニックの魅力はたっぷりなので初心者にもおすすめしたい。