メンバー多すぎて紹介しきれない...


 アルゼンチンのロックプロジェクト•La Bibliaが1974年に発表した作品。その名の通り旧約聖書の天地創造をテーマにしたコンセプトアルバムとなっている。


 アルゼンチンのロック界隈を60年代から牽引してきたプロデューサーBilly Bondによる企画されたプロジェクトで、彼もメインボーカルとして参加している。Vox Deiが1971年に発表した同名アルバムをベースに、アルゼンチン中から集めた総勢20人ものアーティストとオーケストラEnsamble Musical de Buenos Airesを加えた大規模な編成となっている。そのため同じ楽器でも演奏者によるスタイルの変化も出ており、そういった点でも楽しめる。


 オペラロックの劇場的なダイナミズムはもちろん、豊富な人材からくる多種多様な演奏スタイルの展開が味わえる。トラック1 Introduccion 〜トラック2 Genesisまでは映画音楽のような壮大でクラシカルなアンサンブルが繰り広げられる。ギター担当の1人David Lebonによるハスキーでメランコリックな歌声と幻惑的に駆け抜けるギターの妖艶な美しさは必聴。


 3 Moisesから儚げな合唱のイントロならブルースロックのようなシニカルな曲調になり、オーケストラもクラシカルサウンドからブラスロックのような痛快なものに代わっている。けたたましく轟くキーボードがサイケデリックな要素を付加させ、さらに曲の世界観を広げている。


 これ以降も様々なアプローチが楽しめる。トラック4 Guerrasは重厚なベースと疾走感あるギターが際立つハード調で、途中から入るニヒルなハーモニカがまた強烈。トラック5 Profeciasは爽やかなギターとバイオリン、明快なピアノがメロディアスでポップスのような軽やかさがあり聴きやすい。トラック6 Libros Sapiencialesは初期Deep PurpleJohn Roadを想起させる煌びやかなキーボードが印象的な前半、アコースティックギターのしとやかなメロディと4人のボーカルのハモリが美しい後半と分かれておりこのギャップがまた趣深い。トラック7 Cristoからはまたクラシカルサウンドに回帰し、トラック8 Apocalipsisの静謐の中で大きくなっていくドラムを基盤としたエフェクトやミキシングを多用したスピーディで不穏なカオスにより締めくくられる。


 多くのアーティストたちの技術、思想を一つに凝縮することで、ロックというジャンルの展性を最大限に活用した超大作となっている。まさに豪華絢爛にして空前絶後。