太平洋の白鳥」と称される帆船「日本丸」2570トンが別府港に10日寄港しました。海技教育機構の練習船は、四つの国立海上技術学校と国立波方海上技術短期大学校の実習生計97人が訓練航海中に別府へ寄港し、12日午前10時に出港して、神戸を経て室蘭に向かいました。
初代日本丸は鹿児島商船水産学校の練習船「霧島丸」の遭難を契機として、1930年に建造され、当時の田中隆三文部大臣の「日本の海の王者にふさわしい船にしたい」という我が国の海運に寄せる期待を込めて「日本丸」と命名されました。
初代日本丸は 引退までの54年余りにわたって、実習訓練を行って来ました。 正確な記録の残る昭和27年(1952年)4月1日以降でも162次の航海を行い、6,509名の実習生を育て、約127万kmの航海を完遂しました。
米国建国二百年祭(1976年)に参加するなど、華々しい航海を続けてきた初代日本丸ですが老朽化には勝てず、1974年以降は遠洋航海の規模を縮小するなどの応急的な航海を続けていました。