http://www.shin-godzilla.jp/index.html
公式サイト
先に点数書きますかね。
89点
この点数の詳しい解説はあとに回します。
さて、レビュー2回目にして決めましたが、ネタバレ全開にします。
まず、この映画を見た日本人なら誰でもわかると思いますが、今回のゴジラは311という災害全体を映した存在ですね。そんなわけで、序盤はひたすら311の再現映像かの如く、押し流される瓦礫、後手後手の行政対応が描かれるわけです。
この段階で、ちょっと軽い吐き気を催しました。
自分は直接的には311の被害を受けていないものの、当時見た映像が頭のなかを駆け巡り、否応なく物語世界の中に入り込みました。
この段階で、作品世界=現実になってしまったわけです。
で、そこからはひたすらゴジラという生きる災害が東京を破壊し、観客はなすすべなく見守るわけです。
だからこそこの映画のゴジラは、歴代最強の恐ろしさを持つと言われるわけです。
現実の災害として恐怖を持つゴジラなんですから、怖いわけですわな。
序盤のゴジラによる破壊で一気に観客の気持ちを引き込んだのち、終盤は無人在来線爆弾などエンターテイメント性のある日本の逆襲がはじまるわけですから、そりゃあもう気持ちいいわけです。
で、これは現実の話なんですけど、日本という国は311という災害との戦いがまだ続いているわけです。明らかにF1はまだ収束も終息もしていないわけです。その中で、あえて真正面から311と戦い、そして勝つという映画が飛び出してきたわけですから、戦意高揚映画ともいえるわけです。
気持よく、現実の戦いに勝った気分にさせてくれる映画なんだから、そりゃ最高ですよ。この時点で90点は固いですね。
でも、なんとなく90点台はあげたくないんです。
なんでかっていうと、この映画って、311に勝っちゃうんですよ。
現実続いてる戦いに勝たせて、客が満足しちゃマズイような気もするんですよね。
だから89点。
ま、あとでとか言っといてなんですが、フィーリングですわ。
ただ、ゴジラ映画としての意義はとても深いものだと思いますよ。
初代ゴジラが放映されたのは1954年、戦後わずか9年だったわけです。
初代ゴジラっていうのは、原爆を代表とする戦争の恐怖の象徴だったってのは、知識としてなんとなくある人も多いとは思うんですが、もはや戦後ではない時代に生まれた現代っ子の我々にとって、初代ゴジラの恐ろしさっていうのは正直伝わりきらない部分はあったと思うんです。
ところが、この311ゴジラは、現代っ子全員が衝撃を受けた311から、わずか5年しか経ってないわけです。
戦争の恐怖の象徴出会ったゴジラを、災害の恐怖の象徴として再度生み出し、そしてエンターテイメントとして成立させてしまっている。
初代ゴジラが生み出した衝撃を、現代流に蘇らせているんだと思うんですよ。
311後の日本において、放射線、放射能の問題っていうのはあまりにもデカすぎるわけです。そして、ゴジラは放射能熱線を吐くんですよ。
現代でゴジラをやるんなら、放射能の話、ひいては311から目をそらすことは出来なかったわけです。
その意味で、映画としての点数を89点としましたけど、ゴジラ映画としての再スタートである今作は、ゴジラ映画としては100点に近いんだと思いました。
とにかく、右も左もノンポリも、見に行って損はないんじゃないかな、と思うわけです。
