お盆ということで故人をしのび(?)私の祖母の兄、つまり大叔父さんが書いた本を読んでみた。


「炎の記録」劉寒吉


劉 寒吉が作家ということは中学生くらいで知ったと思う。何度も読もうとしたが歴史本みたいなのが多くて何度も挫折していた。


小倉の街を歩いてるとたまに劉寒吉の石碑なんかを目にしたり、小倉の小さな美術館の館長さんにどれだけ劉さんが九州文学に貢献したとかいう話を聞かされたりしてたのでなんとなく自慢だったのだが、本を読んでないってのに自慢するのもどうなの?とか思ってたのでいい機会と思い、お盆に読んでみました。


で、これがすげぇおもしろかったのです。いわゆる純愛小説です。


あらすじ

佐世保の医者である周太郎は幼馴染で乳兄弟の娘・琴に思いを寄せているが、琴はその気持ちに気付かない。

周太郎は彼女に恋心を抱いてることを悟られると傷つけてしまうと思い、気持ちを告げなかった。周太郎は兄と慕ってくれてる琴の気持ちを裏切りたくなかったのだ。

そんなときふとしたきっかけで周太郎が助けた佐賀の大男・や七と琴が両想いになってしまう。

それでも周太郎はや七と親友であり、琴を大切にした。

でもや七は少し気にかけていた。

で、琴にそのことを聞いてみると琴は「ありえない」と言って笑うんやけど、その後、ずっと結婚しない周太郎を見て琴も気付く。

そんな中、琴はペストにかかってしまい自殺しちゃう。醜い姿を人に見られたくないという理由で。

遺書にはそのころ政治家になっていがみ合っていた周太郎とや七のことを憂い、そして周太郎の気持ちを気付かなかった自分の鈍感さを悔い、しかしや七への愛をしっかりとつづっていた。

で、最後は空襲で燃えている家の中に年老いた周太郎が「琴も炎で死んだ」とや七につぶやき入っていって終わるんよね。



忍ぶ恋というのは恋を恋で終わらせる唯一の恋の方法だと思います。

恋は成就の瞬間で終わってしまう。もちろんそれから築きあげる二人の関係は素晴らしいものであるかもしれないがそれは恋ではないのです。

周太郎は恋を殺さなかったんですね。そんでや七は琴と結婚した後も初めて会ったときと同じように愛して大切にし、恋し続けようとしたんです。

で、周太郎は最後にぽつりと初めて琴に対する想いに似たことを吐いて絶命するんです。


僕は三島由紀夫の「潮騒」のような純愛小説が大好きで「炎の記録」は「潮騒」と並ぶくらい素晴らしい純愛小説でした。

純粋な愛ってのは俺にとっては最後の駆け込み寺かもしれんけどww


そうそう、今さっき妹が家に帰ってきました。

まだ会ってない・・・