葬送行進曲 00
僕は暗い道をひたすら走っていた。前も後ろも見えない本当の暗闇だ。
けれど、後ろから何かが近付いて来る気配だけは感じて、何度も振り向いた。
しかし、何も見えない。
それでも僕は走り続けた。いや、逃げているのか?
暫くすると僕は走るのをやめてふと自分の手を見下ろす。
僕の手は真っ赤になっていた。
それは今まで僕が見てきたどんな赤よりも濃い色をした
真紅とも言える液体が手に付いているからだった。
その液体が血だと認識するのに少し時間が掛かった。自分の手が血糊で赤く染まっていることを
やっと理解して、僕はその場に立ち尽くし、天高く吼えた………