吉浦カニ祭り

        平成30年10月21日(日)
 
7月豪雨で、呉地区神社の秋祭りは開催が危ぶまれていましたが。地区皆さん
の努力により、ほぼ例年通りの開催ができたようです。

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吉浦地区の「カニ祭り」も106日から8日に無事行われました。私は
この祭りを一度見学してみたいと思いながら、まだ見たことがありません。
 
この祭りはテレビで全国に紹介されたこともある、注目度の高いお祭りで
す。(吉村治作教授がレポートした番組)
 
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果たして、どんな内容のお祭りなのか。手元にある資料により「吉浦カニ
祭り」についてまとめてみました。
 
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「カニ祭り」は正式名称を「吉浦八幡神社秋季例大祭」といいます。始まり
440年前の戦国時代で、吉浦の住民が、水軍として活躍した野間氏一族の
戦いの様子を祭りの形に表わしたものと言われます。
 
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「カニ祭り」の名称は、当時盛んだった「ワタリガニ漁」の時期と例大祭の
期が丁度重なっていたことから付けられたそうです。
 
今「ワタリガニ」は獲れなくなっていますが、お祭り期間中にカニを食べる
習慣はまだ残っているようです。
 
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祭りは10月第一土曜から月曜までの3日間に亘って繰り広げられます。都会
から帰省して祭りに参加したり見学する人も多いそうです。
 
祭りは1日目:夜祭 2日目:本祭 3日目:後日祭と、それぞれ違う内容
の催し物が組まれています。

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初日「夜祭」のメインは「玉替え」と呼ばれる「くじ引き」です。赤土を
直径2cmほどに丸めた玉を100円で買い、玉を割って「1等~6等」の当り
によって景品と交換してもらいます。
 
名前の通り、自分の玉を誰かの玉と交換するのが本来の楽しみで、昔は男女
が知り合うキッカケになっていたようです。
 
景品は家庭用品などのささやかなものですが、昔から人気があり、毎年1万
個の玉が完売してしまうほどだと言われます。
玉は総て手作りで、お盆が終ると人々は玉造りに取りかかります。
 
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2日目「本祭」は町内各地区から様々な「みこし」が集まり、103段の石段を
上がって行きます。これは「宮上がり」といいます。
 
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先頭は重さが1トンもある「ちょうさい」と呼ばれる「だんじり」で、
150人以上の男性が担ぎ、威勢よく練り上げて登って行きます。
 
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又、きらびやかな着物に長刀を持った女の子の舞いや、白い煙を吐く竜神み
こし、俵みこし、戦船など個性あるみこしが続いて上がって行きます。
 
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最大の見どころは神事のあとの「宮下がり」です。これは神様から離れたく
ないとの思いで、長い石段を「3歩下がって2歩上がる」を繰り返します。
担ぎ手にとっては、この「宮下がり」が最高にキツいそうです。
 
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「だんじり」の上から落ちないように括りつけられて、一心に太鼓を叩く子
供たちの姿にも感動を覚えます。
 
その後「みこし」一行は町内を練りながらJR吉浦駅裏の「御旅所」に向かい
ます。「みこし」を担ぐのは海上保安大学校の学生さんです。
 
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3日目「後日祭」は「鬼廻り」から始まります。「本祭」でみこしの交通整
理」をしていた鬼(やぶ)たちがこの日の主役になります。
 
町を練りながら幼稚園や小学校の子ども達を驚かせたり、追いかけたりしま
す。吉浦地区の子供たちにとっておっかなびっくりの一日です。
 
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吉浦で育った人たちにとって「カニ祭り」は、伝統行事を守ると共に地域の
交流と絆を育む大切な行事となっています。
 
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吉浦は目の前が海です。小高い丘の上にある吉浦八幡神社の境内から見る
瀬戸内海の眺めは最高です。

一度は見てみる価値あり、「吉浦カニ祭り」です。

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