作詞・作曲:谷山浩子
まずはひとつめの物語
タマゴの タマゴの
割れて こなごなの
片想い
誰も もとにもどせない
これは あなたのことよ
そうよ あなたの
あなたの
平気な顔をしてもダメよ
ぜんぶほんとのことよ
割れてくだけたきみの心
きれいな黄色の絵の具で
描いてあげるわ
消えないように
わくわく悪魔の絵本に
そしてふたつめの物語
ピアノの ピアノの
音が狂って歌えないの
誰も もとにもどせない
これも あなたのことよ
そうよ あなたの
あなたの
歌えるふりをしてもダメよ
ぜんぶほんとのことよ
誰もきかないあなたの声
すてきな
ピンクの絵の具で
描いてあげるわ
消えないように
わくわく悪魔の絵本に
そしてみっつめの物語
くつした くつした
とても汚れて
穴があいてる
誰も もとにもどせない
これもあなたのことよ
そうよ あなたの
あなたの
ポイと捨てられて
それきりよ
ぜんぶほんとのことよ
見るも哀れなその姿を
あかるい
ブルーの絵の具で
描いてあげるわ
消えないように
わくわく悪魔の絵本に
そして お別れの物語
描くのはあなたよ
絵の具は
あざやかな赤い色
白いページの上に
いやがるあなたの
その指が 絵筆を握れば
ほら たちまち
ぬりつぶしてる
あなたの胸の中を

「時の少女」は、谷山浩子&橋本一子コンビによる作品で「鏡の中のあなたへ」の頃から続いていたスランプを脱出したといわれています。
またこのアルバムは、CD化されるのが一番遅かったアルバムでした。
この曲はピアノの前奏が印象的で、何となく「猫踏んじゃった」を想像してしまいます。
歌詞も、おそらく一つの物語(童話)を書けそうな内容ですが、歌詞を読み込んでみると、そうそう甘い歌詞ではないのは一目瞭然で、曲で雰囲気をカバーしていますが、前作までの谷山浩子さんの曲調だと、ドツボにはまりそうな暗い仕上がりになっていたでしょうね。
我が家には「エレピアン」がありますので、たまにこの曲を弾きますが、うちの奥さんは、この曲が知らないみたいで「変な歌詞(笑)」なんて言っています。
まぁこの当時の谷山浩子ファンは、今で言う「オタク」に近かったですからね…