虹 | 釘師物語

前回久しぶりに記事をアップした翌日。


虹を見た。


南側のベランダから、ふと左(東側)を向くと七色が目に入った。

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妙子をお父さんお母さんの眠る都城に連れて行った昨年11月以来の虹。



台風11号もここ北九州ではたいした被害はなく、西に沈む夕日が翌日の晴天を告げていた。

虹は太陽と反対側にできる。

東には、皿倉山と帆柱山。

平地にぽつんと突き出た北九州の顔。

雨でも降っているのだろう。

山の緑はかすみ、その麓に短い虹の赤ちゃん。



夕日が沈みかけ、その日の終わりを惜しむかのように輝き始めると、

赤ちゃんも成長する。



山の麓にちょこんと座っていた七色が、ぐんぐん大きくなり、

やがて山の頂を追い越し、半円形になった。

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ウイスキーの水割りを用意し、

妙子が、煙草を吸う場所だったベランダの場所に陣取る。


いつの間にか、七色は鮮明さを増し、

「煙草、おいしいでしょ?」って訴えかけてくる。



二重の虹になった。

外側は、内の投影なのか。

七色の順番が、鏡を見ているように真逆になっている。



夕日に雲がかかり、虹も次第に元の短さに戻っていく。


「ああ、今日も終わりか」

と思っていたら、陽が沈む瞬間、眩しいほどに輝いた。



同時に、しぼみつつあった虹も輝く。



きれいだ。



ベランダの喫煙席で、妙子が煙を吐き出しながら口元をゆるませて、

ふっと、微笑んだ気がした。








※K.Bさん、お花ありがとうございます。<(_ _)>
 すぐにも落ち帰り、仏壇に飾らせてもらいました。