産経抄 2013.12.1 | 釘師物語

産経抄 2013.12.1

久しぶりの更新となります。


12月1日の産経新聞コラム。


よく、「今の日本人は、戦前の日本人とは違う」という言葉を目にする。

『武士の娘』という本を読んだが、

道徳やモラルにしろ、生きるうえでの覚悟にしろ、

まるで別人種・別民族とも思えるくらいの違いだ。


先般、道徳教育が教科として復活することが決まった

戦前と今の日本人の違いは、果たしてそれだけで埋められるものなのか?


それも最も大事なひとつなのだが、同時に私は、

『正しい歴史観』が必要だと思う。


現在の教科書に記載されている嘘の数々。

これらを正しく修正し、

その『正しい歴史観』を修めた親が子に諭す。

その子が、また『正しい歴史観』を習う孫と共感する。。。


そうやって、少なくとも三代にわたって同じ正しい歴史観を共有して初めて、

日本人が輝いていた、世界から尊敬されていた頃の日本人に戻れるのではないか、と思う。


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産経抄 2013.12.1


 インド代表の東京裁判判事として、日本人被告全員の無罪を主張したことで知られるパール博士は、裁判後の昭和27年にも来日している。

このとき日本の教科書を見て嘆いたという。

「日本は侵略戦争を行った」と書かれていたからである。


 産経新聞社『教科書が教えない歴史』によれば、博士は

「子供達が歪(ゆが)められた罪悪感を背負って卑屈、荒廃に流されていくのを、見過ごすわけには行かない」と訴えた。

こんなに早くから日本の歴史教育の問題点を見抜いていた外国の識者がいたとは、驚くべきことだ。


 パール博士だけではない。恐らく戦前からの日本の歴史を日本人以上に正当に評価し、好意を寄せてくれたのはインドの人々だ。

まだ占領下にあった昭和24年には、東京の子供達の願いを聞いてネール首相がゾウの「インディラ」を上野動物園にプレゼントした。


 昭和35年、皇太子、同妃時代の天皇、皇后両陛下がインドを訪問されたとき、そのネール首相はこう演説した。

「日本の政策には同意できたもの、できなかったものもあったが、常にわれわれは日本を日本国民、その美徳を尊敬してきた。日本は偉大である」


 そのインドを天皇、皇后両陛下が公式訪問されている。長年のインドからの招請に応えたもので、両陛下にとり35年のとき以来53年ぶりのご訪問である。

天皇陛下は訪問にあたり「インドへの理解をさらにさらに深める機会となることを期待しています」というご感想を発表された。


 ご高齢にかかわらず国際親善に尽くされる両陛下に、ただただ頭が下がるばかりである。やったりとご旅行いただきたい。同時に国民としてはこの機に、パール博士をはじめ他に例を見ないインドとの交流の歴史を思い起こしたいものだ。


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 インドのパール博士は、東京裁判に判事として参加。

11人の判事中、唯一の国際法の専門家だった。


そのパール判事が出した無罪判決は、現在、世界各国の国際法研究家からも「当然」との評価を得ている。


『パール判事の日本無罪論』 (小学館文庫)

田中正明 著


をご覧になっていない方は、ぜひ一読を。




ではでは。(・ω・)/