柴田トヨ~くじけないで | 釘師物語

柴田トヨ~くじけないで

いつも車に積んでいる詩集。


100歳に近い柴田トヨさんが出した処女詩集。


ちょっとした待ち時間に読み返したりしている。


☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


ことば




何気なく


言った ことばが


人を どれほど


傷つけていたか


後になって


気がつくことがある


そんな時


私はいそいで


その人の


心のなかを訪ね


ごめんなさい


と 言いながら


消しゴムと


エンピツで


ことばを修正していく


゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚


高校生時代、クラスメートに


「釘師って、平気で人を傷つけることを言うよね」


と言われた事があった。



何のことやらさっぱりわからず、


いくら過去のおしゃべりを振り返っても、


「そんな事言ったっけ?」と、


思い当たる節は見つからなかった。



私に言った当人ではなく、そのクラスメートの友人に言ったのかもしれない。


長らくその事を忘れていたが、最近、また思い出した。



自分はごく普通に言っている事が、


相手にとっては、とてつもなく辛い事がある。


そもそも、「ことば」っていうのは、


言の葉っぱ、と書くように、


思いを伝える「手段」でしかない。


枝葉でしかない。


自分の気持ちの真実を伝える事は、残念ながら、


本当は無利なのかもしれない。



しかし、身振り手振りよりも、イラストを見せるよりも、


言葉は、思いを伝える有効な手段だ。



最近流行のメールやフェイスブック等は


言葉だけじゃなく、写真まで送れる。


自分の表情を見せることのできない代わりに、


絵文字も普通に使われている。



それでも、意思疎通のすれ違いは起こる。


発信者が伝えたい気持ちが、


受取人には全く反対の意味で伝わることもある。



昔流行った、「テレパシー」を、


人が全員、使えればいいのにと思った。