※妄想です。

ご無沙汰です

再開です。でもあと4話。


















行くから来い。


言葉にしなくとも伝わる言葉。

どこに?と聞いたところで意味はないだろう。

場所なんて関係ないだろうから。

俺の好きなヒトの保護者はこれから俺を品定めするのだ。

襟を正さねばならない。






「あんま食ってくんなよー」


連行される俺と保護者へ、智さんの声が背中へかけられる。

お昼ごはんも一緒ですよね!

ですよね!

帰ってきますから!


弾む気持ちを抱えて玄関に行けば、仁王立ちの美人から財布持ってこいとご命令。

それだけ取り出して行けば、大野さんの目が胡乱にしかめられていた。

美人はどんな表情でも美人だな。


なんて感心してたら玄関から蹴りだされた。


容赦の無い蹴りに、もー少しだけ優しさが欲しい…かもなぁ…


「あんたに?なにか?」


なんて掠めたのまで察したのか。

キビシイ洗礼をくださった。


うん、これも修行。

きっと修行。


この先にはご褒美が存在するのだから。

きっと。

うん。









目の前でメニューみて悩んでる彼女は、やっぱりよく似てる。

男女の双子は二卵性のはずだけど、本当にそっくりだ。


これで性別も同じだったら見分けがつかなくなる程になるんだろうな、と思う。



(でも)


間違えない

そんな自信が俺のなかに生まれる。


同じだけど、表情がどこか違う。

ものの考え方は似たようなものなんだろうけど、別人である限り、同じ人生は送れない。

それが表情や雰囲気に現れる。



…彼は独特な気がする。



俺の事を彼に惚れてもらうには、まだまだいろんなものが足りないのはわかってる。

時間も、会話も。


これからの俺のなすべき大事で大変な努力の課題。




「とりあえず、連絡先ゲットしないと」


と構えるより前に訪れたお宅訪問。

なてことだ。

これまでの俺へのご褒美だろうか。


は、考えすぎ。


うん。

じつはまだなのだ。

TELもメアドもラインも、SNS…はやってなさそうかな?


自宅に迎え入れてもらっても、そこまでで。

一度入らせてもらったといったって、次に勝手に押し掛けるわけにはいかない。

さすがに、ひととして問題だし。


けどさ。

これはこれで、なかなかレアだよね。



あ。呟き聞こえたのね。

保護者の視線が零度だ。





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警戒MAX