※妄想です。

そうぞうしい






















「お前か。妹を侮辱した奴ってのは」


侮辱。

うん侮辱。

さとしにそう言ったし、ヒドイ言いがかりだったもん。


悶絶してるワンコに聞こえてるか怪しいが。


「その目って節穴以外なんでもねーな」


妹をまた傷つけたらこの程度じゃねぇぞ、なんて捨てゼリフ。


かっこいー!!

きゃー!きゃー!!





「、、、、た」




…え?


なにか、いま。








「さとしくん!!」


「おお…しょーくん」


「うわぁぁああ久しぶりー!」


「久しぶりー変わんねぇなぁ」



うわ、櫻井!

あんた張ってたわね!?

ついてきたら許さんって言っておいたのに!



「うん、だから着いていってはいないよ?」


会社から出たら智くんがいたんだもの。


こ、こいつ。

ニコニコと営業用スマイルでヌケヌケと…!

キラッキラの笑顔が胡散臭すぎる。



「せっかく会えたんだし、飯行こうよ。

俺が奢るから!

いいとこ連れてってあげるからさ」


「ちょっと!言い方おかしくない!?

それに今日は私とふたりで行くのよ!」


「さとこちゃんは会えるじゃない。

きょうだいなんだから、それこそ毎日だって。

久しぶりの友人に譲ってよ」


「お・と・も・だ・ち・ですって?」


「そうですよー?」


「デートは毎日じゃないもん!」


「デートまで行けてない俺にチャンスちょうだいよ!」


「いーやーよー!!」





…この時、目の前のきゃんきゃん騒ぐウザイへたれに気を取られて、失念していた。

さとこ、大失態。








「俺、あなたが好きです!

好きになりました…









ヘタレと私の横。


さとしの手を握って異次元の言葉を吐いたのは、だれ。






「·······さとこ」


「はい」


「もう一回ぶちこんでもいいのかな、コレ」


「手加減なしの拳いっちゃって」




明日、ワンコは出勤できるかな。






*****

地面とおともだち