施設は家から近いので仕事の昼休みに車で施設に行く毎日が始まった。前の2つの病院に入院しているときは毎日あちこち掻いていてプロペトを毎回塗ってあげていたが施設に入ったらぴたりと掻かなくなった。そう施設の人に伝えるとしっかりプロペトを塗ってくれているそうだ。病院は忙しいからとのことだった。これだけでも早く施設に移してあげたかったな。
在宅勤務ができるので母の部屋に折り畳みのテーブルとパソコンを持っていき母の横で仕事をしてみることにした。提案してくれた上司に感謝だ。母は寝てる時間がだいぶ増えてきた。起きてたらエネルギー使うのかな。たまに起きて何か飲みたいというのでミルクティを買ってきて棒の先にスポンジがついているのにミルクティをつけて舌につけてあげたりした。全然食べてなかったから味覚も落ちているのではと言語聴覚士の先生が言っていたけど、そうかもしれない。満足そうな顔はしなかった。少しだけど飲み込むのが苦しそうだった。口から出していいよとティッシュに出してもらった。母が何か言いたいときはホワイトボードに書いてもらうのだけど、母の部屋で仕事を始めて2日目くらいに、「かおみたい」と書いてきた。私はマスクをして床にクッションおいてその上に座っていたので寝ている母からは確かに顔がほとんど見えてなかっただろう。あんなに怖かった口うるさかった私の顔が見たいのか。マスクをとって笑顔を作って、これでいい?と言ったら頷いていた。
トイレに行きたいというのでスタッフさんを呼びトイレにいくことにした。オムツにしていいんだよと伝えてもどうしてもできないようだ。起き上がると眩暈がひどくなるので大丈夫か気になりながら見ていた。一度車いすに座ってしばらくじっとしてからトイレに行った。何とかトイレに座ったものの眩暈が辛いようでスタッフさんの手をとり自分のおでこにスタッフさんの手をもっていき頭を支えてもらっていた。辛くて涙を流していた。オムツにできたらいいのにな。