若者 | エルコのブログ ~ドイツはライン川のほとりで~

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ドイツはライン川の近くに住むエルコが、日常の風景をお届けします

ここ15年くらい、若者と接することがありませんでした。

かつて仕事をしていた時にいた一番若い子で10歳年下。

私より年下はいたものの、それでも数年若い程度でしたからいわゆる“若者”とは無縁の生活です。

 

働き始めた職場も、優しいおばちゃんを除いた全員が(多分)私より下。

下と言っても多分30台後半からでしょうから、“若者”と言うには薹が立ち過ぎています。

 

では、誰なのか。

 

先週の月曜日から正式に働き始めたものの、月曜日は洗い場担当のおいちゃんが歯痛で数時間遅れてきました。

でも、その間私一人。

事前に聞いていた人数も、洗い場の正式な社員はおいちゃんと私の2人のみ。

怒涛の勢いで仕事を片付けに片付けまくって、その日を終えました。

 

次の日、昨日と同じように職場に行くと男の子が一人で洗い場に立っていました。

 

おや?

やっぱり聞き間違いで、おいちゃんと2人だけじゃないのかな?

まぁ、一人じゃ回せないしねぇ

 

なんて思っていました。

 

しかし、それにしてもすんげー不愛想で不機嫌。

 

何なの?この子…。

 

やる気ないオーラを発しまくりだし、何でこの俺様がこんな下の下の仕事をしなきゃなんねーんだ!?という雰囲気を出しまくり。

 

何と言うか、私に指示を出してくるし、この子は私より長くてここのことを知っているのかと思いました。

だったら、どうしてそんな態度なの?

自分で選んだ仕事でしょう?

 

仕事を始めたばかりとは言え、お試しと初日を経験したので一応の流れと仕事の早さは分かっています。

ある程度の汚れを落としたら食洗器に入れて、出来上がったら汚れをチェックして、汚れてたら少し洗い直す。キレイになったら新たに食洗器に追加して、その間に洗い上がったものを元の場所に戻す。

蓋に至っては、ケースみたいのに立てかけるように入れて、洗って片付ける。

 

実際には、業務の90%がそれです。

 

私が大まかな汚れを落とし、食洗器に入れて片付けるのをその子がやる、そんな分担に自然となったんですけど、動作のいちいちが遅いのでざっと洗ったものがどんどん溜まってはけていきません。

置く場所がないので、私の横にプラスチックのコンテナを2つ置き、その上にケースを置いて蓋を立てかけていくのですが、詰めていった傍から蓋を抜き取っていく男の子。

シンクは3つあるんですが、蓋以外のものが詰まっていてそこに置くこともできず、どうすれば良いのやら。

詰めてもぎちぎちではありませんから食洗器で洗えるのに、間引いて少ししか入れてくれません。

入れる時も蓋の向きをわざわざ揃えて入れるし、正直、無駄なことしかしていない。

 

全体の流れやスピードを読んで効率よくやろうというのではなく、無駄な(不要な)ことに重点を置いて全体の流れを止めてしまう。

 

1日は何とか終わりました。

次の日「いないでくれー」と祈りながら行ったものの、運がなかったのか、またいました。

 

態度は昨日と全く同じ。不貞腐れ、ブーたれ…。

大まかな汚れを落とす作業をやっていたのに、私が到着するやその作業を無言で私と変わる子。

その作業は洗い物がある内は休む暇もありませんが、食洗器に入れて片付ける作業は食洗器が終わるまでの間休むことができます。(本当は、それ以外の仕事もあるので休むという発想は持てないんですけど)

 

汚れが残っていると無言で差し出してくるし、自分の手が汚れていても私の方に合掌した手をにゅっと無言で差し出してきて、水を掛けろと催促してきます。

蛇口を渡してしまうとテンポが崩れるから嫌なので、その子に水を掛けてあげますが、その後も無言。
 
偏見を持っているわけではないのですが、アジア人(多分中国の子)なので、小皇帝という単語が頭に浮かびました。
うーーーん、人を人とも思わぬこの態度…。
 
ベテランさん曰く、水曜日は返ってくる食器が多いので必然的に仕事が多くなるそうです。
その日もそうでした。
ジャンジャン片付けていかないと終わらないので(私は途中で帰っちゃうけど)、スピードを上げていきましたがついてきてくれない。
シンクが一杯になっても、自身の動作を早くすることもなく、あくまでも自分のペースを貫こうとします。
進まないから、汚れを落とす、食洗器に入れる、チェックする、片付けるまで全部やりましたが、申し訳ない気になることもありません。
どんどん溜まってくることに圧を感じることはあるのか、苛立った動作に変わり、食洗器に入れる時にはほぼ投げ入れるような感じでした。
金属ですから物凄い音。
 
何でこんなに早くやんだよ!
お前がゆっくり洗えばここにこんなに溜まることもないだろ!?
こんな仕事にやる気を出して、こっちに迷惑を掛けんなよ!
 
そんな声が聞こえてきそうでした。
 
ペースが上がらないので不満が溜まってくるのはこっちです。
私がいる間にある程度終わらせてあげないと、おいちゃんが大変なことになるんです。
 
うあーーーーーーーーーーーっっっっっ
 
声にならない声を発してしまいました。
ちらっと調理場の人に見られてしまい、ちょっと気まずい…。
 
もう、無理……。
 
この子、嫌い…
 
私が早くに結婚して子供を持っていたら、多分、今、その子くらいなので、親子ほど離れてると言えなくもありません。
そんな子にこんな感想を持ってしまうのは大人げないんですけど、やる気のない子、嫌い…。
 
もう、次の日もだったらどうしよう…。
ボスは、初日に1人でてんてこ舞いだった私に追い打ちをかけるかのように、「食洗器は常に回ってるようにしないと、仕事が終わらないよ」と言ってきたのに、その子には何もなし。
 
ぐはっっ
 
憂鬱な気分で次の日仕事に向かうと、違う男の子がいました。
 
あの子よりちょっとフレンドリー。
仕事も私が汚れを落としていると、別のホースで洗って手伝ってくれるし、スピードは乗らないけど邪魔をされない。
別のホースは壁とかを洗うやつなので水圧が強いんですけど、それで洗うから隣の私はびしょびしょ…
でも、折角やる気を出してくれてるしダメ出ししたくないので耐えました。
 
水曜日より量が少ないのもありましたが、仕事の流れを掴んでくれるし自分でやれることをやろうとしてくれるし、文句はありません。
まぁ、休憩時間が15分のところを30分近く休んでいたのにはちょっと思うところはありましたが、特に仕事が詰まっていたわけではないので、まぁ、よしとしましょう。
 
その子から聞いた話だと、その子たちは大学生だそうで、職業体験というのかちょっとしたバイトなのか良く分かりませんが、とにかく自分で志願しているようなんですね。
 
次の日、またまた別の男の子。
すんげーフレンドリー。
よく気付くし、仕事のスピードも速いしテンポもばっちり。
ガンガン進めてもちゃんとついて来てくれる。
すんごくやりやすいーーーーーーっっっっっ!!!!!
あーーーーーーーっっっ
仕事がはかどるーーーーーーっっっっ
 
何を洗うかとか分かってるし、優先順位もちゃんとつけてくれてるし、蓋の向きを揃えたり間引きしたりしない。
というか、多分、ものぐさな部分もあるんでしょう。
詰められるだけ詰めちゃえ!といういい感じの手の抜き方も心得ていました。
 
昨日の子は、一応仕事はやるけど大変なのは嫌だなぁって感じがありました。
仕事時間、長いよー
とかよく言ってましたしね。
でも、真面目なんでしょうね。それでもちゃんとやってくれました。
 
この日の子は、働くことが好きな感じ。
大変だ―!となっても、大変なりに楽しもうとしてくれるというか、ブーたれ要素が一つもないんです。
 
4日間で3人の全く違うタイプの子たちに会いましたけど、多分、仕事で成功するのは3番目の子みたいなタイプかなぁなんて思いました。
要領が良い。
仕事もちゃんとできる。
優先順位も流れを読みながら付けられる。
 
私が社長だったら、一番雇いたいタイプです。
その逆は言わずもがな。
一番最初の子です。
 
自身を過剰評価して「この仕事は自分にはレベルが低すぎる」とか基本もできないのに「もっとやりがいのある仕事をさせてくれ」とか言うタイプなんだろうなぁ。
余計なことばかりして、流れを止めて、うまくいかなかったら自分を顧みるのではなく周りのせいにする感じ。
 
これからも学生さんが来るかもしれません。
どんな子でも受け止めてあげたいと思うんですけど、本音では「やる気のある子」がいいなぁ