昔から、どこかの企業に勤めるのが苦手です。
バイトの時は別に何でも良かったんです。学生の本分は勉強ですし、シフトは自分の入りたい/入れる日時ですから。
それに、独り身であれば夜遅かろうと朝早かろうと、どうとでもなりました。
私がヨーロッパに来て働いていた時も、自営業扱いでした。
個人事業主として登録し、自分で税理士さんを見つけて納税する。
決まった休みはなく、働いたらお金が入り働かなければ収入が減る。
それは個人事業主のデメリットではありますが、ある程度時間的な自由は手に入るメリットがあります。
夫は会社経営者ですから必然的に事業主になり、従業員のように休みは保証されていませんし、自由に休めない。
なのでよく「働くなら雇用された方が良い」と言います。
休みは保証されているので休暇を取っても給料が減るわけでもなく、病気になってもそれで減給になるわけでもない。なんならずる休みもできる。そして保険料も会社が負担してくれるからメリットは大きいと。
私も働きたいと常々思ってきました。
夫の扶養に入っているので、夫の税理士にどんな働き方があるのか聞いてもらいました。
私の希望は自営業者。
夫が貰って来た答えは「自営業はやらない方が良い」でした。
それは保険。
今は夫の保険(公的保険)に入っていて、夫の収入によると上限を払っているそうです。
月に800~900ユーロほど。
夫・娘・私の3人分が賄われているのですが上限なので上がらない。そしてその金額は夫1人の時と変わらない。
つまり夫1人分の金額で3人分ということ。
ところが、私が働くとなると公的保険から抜けてプライベート保険に加入しなければならないそうです。そして、私1人ではなく娘も引き連れて行かなければなりません。
私がかつて自営業で働いていた時(6年ほど前まで)、月に350ユーロほど支払っていました。
公的保険は年齢に関係なく、年をとっても金額が上がることはありませんが、プライベートは上がります。
毎年金額が上がっていって、払えなくなっても公的保険に入り直すこともできず苦しい思いをしなければなりません。
つまり死ぬまで働き続け、保険を払い続けなければならないということ。
更に、今の段階で試算してもらったところ、私が娘込みで払わなければならない金額はおよそ900ユーロだそうな…。
夫1人分で3人賄っているのに、私たちが抜けても夫は同じだけの金額を払い私も払う。つまり、倍。
仮に日本語教師の仕事がうまくいって月に1500ユーロほど貰えたとしても、保険が引かれ、税金やら何やらを納めたら、手元に残るのは200ユーロくらいかもしれません。
毎日それなりの時間働いているのに、残るのはそれだけ。
ドイツには庭師さんや色々な職人さんたちが自営業者として働いていますが、皆同じような問題を抱えているそうです。
つまり、老後保険が払えなくなる人も数多くいるということ。
老後に破産する職人さんたちが多くいるということだそうな。
1500ユーロというのは仮定の話なので、それより稼げば当面の保険と残りの金額の問題は回避されます。
でも、プライベート保険に入って払い続けなければならないことに変わりはありません。
私が何かで働けなくなったら、保険料を払えないリスクがあるのです。
そして、定年はなく文字通り死ぬまで働かなければなりません。
年を取って、仕事を控えようかなぁなんてできないわけです。
結局、私が働けるのはどこかの学校に教師として雇用されること。
そうすると、その学校が私の保険を払ってくれるので、私は公的保険に残ることができ高い保険料を自分で払わなくて済むというのです。
その上で、副業として何かをやりたいならば月に450ユーロまでは課税されずに得ることができると。
語学学校は、大抵夜に始まります。