出産予定日を過ぎても | エルコのブログ ~ドイツはライン川のほとりで~

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ドイツはライン川の近くに住むエルコが、日常の風景をお届けします

出産予定日を過ぎても生まれてくる気配のない我が子。

特に問題があったわけでもなく、初産なので遅れてくることはままある事だそうで、いつなのかと心待ちにしていました。

1日が過ぎ、2日が過ぎ、とうとう1週間が経ちました。

 

ドイツでの検診は妊娠30週までは1か月に1回、30週を過ぎると産婦人科で月に1回、助産師さんのところで月に1回、2週間に1回の頻度で検査を受けることになります。

出産予定日を過ぎると2日に1回検査を受けることになります。

 

2日に1回のペースで産婦人科に通っていましたが、そうするとどうしても週末に被ることになります。3回目の検診がちょうど日曜日だったので、通っている産婦人科は当然お休み。

出産予定の大学病院に検査を受けに行きました。

 

胎児の心電図を取り、エコーでの検査をいつものように受けていましたが、ここは大学病院。

検査をしたのが医者のたまごさんなのかは分かりませんが、これまた大学病院ならではの、上の医者が再検査。何なんでしょうね、このまどろっこしさ。

 

たまごさん曰く、大きさは推定3000gから3500gの間くらい。

通っている産婦人科でも同じような事を言われていましたので、出産予定日が過ぎていても育ちすぎてはいないようで安心していました。

 

が、安心したのも束の間、たまごさんの上の先生がエコーの確認に来たところ、サクサクと(しかし私にはテキトーに見える感じで)エコーの写真を撮っていきます。

 

「4000gくらいですね。妊娠糖尿病もあるようですし、出産予定日も6日過ぎているので、今日から入院して、陣痛誘発剤を使っての出産をお勧めします」

 

目が丸くなってしまいました。

 

4000g!?

 

いや、そんな馬鹿な。

私のお腹の大きさを見ても、そんなに大きい筈がありません。

 

妊娠糖尿病!?

 

そんな話、今まで聞いたこともないぞ!?

 

日曜日の検査の後、火曜日にはいつもの産婦人科で検査の予約も入っていますし、いつもの先生も大丈夫だと思っているから火曜日の予約を入れてくれたんだと思います。

すべてが新しい話ばかりで戸惑うばかり…。

 

糖尿病に関してははっきりと異議を申し立てました。

そんな話は聞いていない、と。

 

すると手帳には糖尿病の検査がなされた事が書いてある。

数値も平均より上だとの事。

 

いや、それならかかりつけの先生が何か言うはずですし、血糖値を計ったり食事制限があったり、それなりの対応をしていたはずですが、食事制限についても何も言われませんし、家で自分で指先に針を刺して検査をするとか、薬を飲むとか、そんなこと一切していませんでした。

 

もう、不信感でいっぱい。

 

6日を過ぎているけれども、いつもの先生からはどうするかの説明をされていませんし、予約も入っている。

→こいつの言う事は怪しい。

 

いつもの先生とたまごさんは推定3000g~3500gと言っていたのに、急に4000gとか言い出しやがった。

→こいつの言う事は怪しい。

 

糖尿病の検査は確かにやったけれども、電話で検査結果を聞いた時には問題ないと言われていたし、特別な治療や処置はなし

→こいつの言う事は怪しい。

 

とにかく、すべてが新しい事、疑わしい事ばかりで何となくパニックになってしまいました。

日曜日なのに、今日、これから入院して誘発剤を使うとか言っているけど、ベッドが空いていて一人でも多く、早く入院させればそれだけ儲かるとか思ってるんじゃないの?

 

そんな気持ちでいっぱいになってしまいました。

 

産むことに不安はありません。

ただ何となく、自然に陣痛が来て、うちから病院に行くものだと思っていましたので心の準備ができていなかったというか、予定と違ったというか、とにかく急に入院する必要性を感じなかったんですね。

 

考える時間をくれるというので、夫の友達でお医者さんをやっている“信頼できる”人に意見を聞くことにしました。

 

夫が電話で状況を話すと、どうやら普通の事らしいんです。

それでも私と直接話をしたいと言うので電話を代わってもらいました。

 

出産予定日から6日を過ぎると、ドイツでは7日目から誘発剤を使って準備に入るのは普通の事だと。

何か入院したくない理由でもあるのか?

7日を過ぎるとリスクも高まるから、もし理由がないなら入院をした方が良い

 

などなど、丁寧に説明をしてくれて、私の不安を取り除いてくれました。

 

話していくうちに自分の気持ちの整理がついてきましたし、不安もなくなりました。

入院すると血栓症を予防する注射をされる、それがどうしても嫌で嫌でたまらない

できる限り家にいたい(入院って不便ですからね)

自然に陣痛が来て、家から病院に向かうものだと思い込んでいた

急な事で戸惑いがある

 

こんなもんでした。

 

次の日、月曜日からの入院でも良いと言われていましたが、夫は仕事があるために日曜日の方がゆっくり付き添いができるというのもあり、結局その日の夕方から入院することに決めました。

一度うちに帰って、ご飯の準備をしたりシャワーを浴びたりしました。

おにぎりくらいは持って行きたいですからね。

夕方からだとご飯もきっとないだろうし、入院したら日本食からは遠のいてしまいますし。

 

結局出産用に詰めた荷物と、入院用に詰めた荷物の両方を持っていざ出発。

 

検査のために時間外の受付に行った時、「出産なの?」なんて話をして、

「いや、検査だけです」

「今日にも生まれるかもしれないわね」

「いやぁ、それなら良いんですが」

「生まれてからは大変だから、今のうちに楽しんでおいた方が良いわよ」

 

なんてやり取りをしたんですが、入院手続きのために夕方に来た時と、受付の人が同じで笑ってしまいました。

 

「陣痛が来たの!?」

「いやいやいや、結局生まれる気配がないんで入院して…」

「あら、そうなの?じゃぁ、安産になるように祈ってるわ」

 

なんて朗らかな良い時間を過ごしました。

 

医者の予定では胎児の心音を計りつつ、30分後に薬を飲んで1時間半更に検査を続ける、これを4時間ごとに繰り返すんだそうです。

夜の7時に検査を開始し、9時過ぎくらいに1回目の検査が終わりました。

入院する部屋に戻る時に顔見知りの看護師さんに(1度入院していて、覚えててくれた)声をかけられ、「明日から本格的に始まるわね」なんて言われたのですが、4時間ごとにだから、また11時過ぎに行かなきゃいけないと言うと、不思議そうな顔をされてしまいました。

「分娩室は10時までで、明日の7時まで閉まってるはずだけど」と。

 

またか…

 

また人によって言う事が違うのか…

 

医者が言うには4時間に1度で、それを繰り返すと言われたんだけどと言うと、分娩室に確認してくれ、やっぱり明日の7時までは閉まっているので検査はないとの事。

 

今日はこれにておしまい。

明日の朝まではゆっくり休んでね

 

ってな感じで一日が終わったのでありました。