「好きなものを編む会」の編み友さんの影響で

最近になって靴下編みを始めた私ですが、

編み物歴はそこそこ長かったのに
靴下は数年前まで編んだことがありませんでした。
そこで、

なぜ 靴下編み(ソックニッティング)が今ブームなのか考えた

編み物の中でも靴下は、ウエアに比べて少ない材料で早くでき、
かつ同じく少ない材料でできる手袋に比べても、
一年中使えて実用的という利点があります。
 

海外では10数年以上前から靴下編みがすでにブームだった

この記事が書かれたのは遅くとも2005年以前のようです。

この頃は日本では靴下編みはマイナーだけどもアメリカで大ブームだったそう。

(いま現在では世界的にブームですね。)

 

靴下編みの利点については、

1. 早くできる

2. 暖かい。実用的。

3. セーターにつながる技法をマスターできる。

4. 楽しい。

と、4つの見出しに続く解説がこれまた楽しい文調で書かれており、

編み方も紹介されています。

たた&たた夫さん 編み方紹介 初めてのソックス

 
日本では編み物の歴史は長いものの、一昔前までは靴下専用の糸というものは
市販されていなかったようです。
ナイロンが混紡されていない手編み糸では、体重や摩擦に素材が耐えられず
1935年に「猪谷式靴下」を考案された猪谷六合雄さんのように、自分でナイロン糸を引き揃えて編む方もおられたようです。
「猪谷式靴下」は上毛新聞のWebサイトによると、
 
「2010年に編み方を紹介し、火付け役となった雑誌「暮しの手帖」は再掲載を望む声に応え、昨年「2021年)11月25日に特集号(5世紀15号)が発売された。猪谷さん考案の記号や表を使い、一見難しいが「謎解きをするように編むのが楽しい」と好評だ。」
との事です。10年前の記事のアンコールが実現するなんて、すごいですね。
 
 

インターネット、ネットショッピングの普及

インターネット、ネットショッピングの普及により、

海外のソックヤーンを個人輸入するユーザーや

輸入して販売するネットショップが増えました。

ソックヤーンは、段染めなど美しい色に染められたものが多く、

種類が豊富で、つい集めてしまうニッターのかたも多いようです。

 

SNSの普及、Youtubeなどの動画投稿サービス

2007年のiPhoneの発売から数年、高性能カメラ搭載スマホが一般に普及、SNSの台頭で
facebook、Twitterや Instagram等、画像付き文章の投稿が主流になります。
 
ハッシュタグでカテゴライズされた投稿を検索することができるようになり、
#ソックニッティング #ソックニッター などのキーワード検索で、
個人が編んだ色とりどりの靴下の画像や、糸の情報が得られるようになったようです。
 
ひと昔もふた昔も前、
そもそも靴下を編みたくても編み方がわからない、編み物の本では理解出来ない場合には、
編み物教室や周りにいる編める人など、出来る人に教えてもらうしか方法の無い時代から、
パソコンのインターネットで編み方を検索出来るようになったのを経て、
今はYoutubeなどでスマホでも動画検索で編み方を調べられるようになりました。
 

毛糸量販店もソックヤーンの取り扱いを増やすようになり、

ソックヤーンや靴下を編むための編みやすく進化した輪針も

海外製、国内製ともに入手しやすくなった。

 

梅村マルティナさんの存在

ソックニッターにとっては言わずと知れた梅村マルティナさん。

NHK「すてきにハンドメイド」にも出演されました。

 

マルティナさんの本、

 「しあわせを編む魔法の毛糸」によると、

ドイツのTUTTO社で、opalの段染め糸が考案されたのが96年だそうです。

 

梅村マルティナさんは、医学研究者としてドイツから来日されて、

このドイツ製のopalのソックヤーンで編み物をされていましたが

趣味が高じてソックヤーンや編み物を周りに広めておられたところ、

2011年3月11日に東日本大震災が起きました。

マルティナさんは被災した地域に編み針と毛糸を送り、

編み物を教えて被災者を癒すボランティア活動をされました。

その後被災地の復興のため気仙沼に

「梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ(KFS)」を設立し、

日本にopalソックヤーンを普及させたかたです。

 

気仙沼の自然にちなんだオリジナルカラーも次々と販売されています。

 

日本のopalソックヤーンブームは、マルティナさんが牽引されたものと言ってよいでしょう。