~留置所のトイレや風呂、飯~ 『違法風俗で働いて逮捕されました』5 | a.k.a.“工藤明男” プロデュース「不良の花道 ~ワルバナ~」運営事務局

留置所飯
<留置所ないで出る朝食(警察庁ホームページ『警察の留置業務』より)>



 留置されたって当然、腹は減るしクソも出るわけで。しかし、食事もトイレも、ついでに風呂も、どれもまぁひどかった。


 まずはトイレ。各部屋に一個ずつ設置されていた、もちろん水洗。だが、便器は白い陶器製のものなんかではなく銀色のステンレス製だった。新幹線のトイレを思い浮かべるといいかもしれない。透明のアクリルで囲いがしてあるだけで、同房の人たちからは丸見え。恥ずかしい、なんて事はないんだけど人としての尊厳は丸つぶれだよな。

 毎朝、このトイレ掃除から一日が始まるんだ。みんなやることが無いから便器磨きに執念を燃やしていたよ。トイレットペーパーなんてものはなくて、いわゆるちり紙を使っていた。


 続いて風呂の話ね。二週間で三回の入浴日が定められていた。俺の場合8日間の留置だったから、タイミング的に一回しかフロには入らなかったけど。三~四人でまとまって、監視付きでフロに入る。ここでも尊厳を踏みにじられるよなぁ。

 で、当然違う房の人とかとかち合うこともあるわけだ。たまたま浴槽に入っていた人が刺青だらけの巨漢だったんだ。正直ビビった。だけど、その刺青さんの下腹部には“しめじ”ほどのイチモツがぶら下がっておりました。


 で、最後に食事の話。

 美味いワケがない。いつも何らかの天ぷらが付いてくる、朝だろうがなんだろうが、いかにも“高温で調理したから大丈夫♪”的な意味合いでの天ぷらだろう。普通の天ぷらではない、サクっとかとは程遠い、重くモッタリした衣が圧倒的に勝利している天ぷらだ。


 あと毎食出たのが、煮えくり返った熱々味噌汁! 俺は房の中では一番新入りだったから、この熱々をみんなに配膳しなくてはならなかった。こぼしたら火傷は免れない、拷問に近かった。

 しかし、留置が決まった時の晩飯から比べたら、まだましだった。時間が遅かったからか、あの夜はたしかコッペパンと白湯だけだった。

 白湯っていったって鶏ガラをジックリ煮込んだラーメンとかに使うスープじゃねえぞ! 白湯って書いて「さゆ」のほうで、ぬるま湯だよ! 俺の人生で、そんなセットの飯、初めてだったぜって~の!

(文 ジョー龍知)