悪者になれる優しさ。

自分がどう思われようと。


「叱る」とは、

未来を見越した愛なのだ。


幼き魂は知らない。

今に精一杯だから。


見えていない、

大きな愛を。


だから足をとられる。

果実欲しさに。


今にも熟れた実に、

手を伸ばそうと必死になる。


それゆえ、

ぞんざいになる心がある。


気づかない大事なこと、

それがいつか仇となる。


だから叱る者が必要なのだ。

果実よりさらに大切なことの為に。


幼き魂は知らない。

なぜダメなのか。


むやみに、

手を伸ばしてはならぬ理由を。


叱る者は意を決する。

悪者になることを。


今は幼き魂に、

嫌われようと。


うとまれようと、

恨まれようと。


それが愛だと気づくまで、

悪者だと思われる覚悟を。


叱る者は静かに、

腹に決めるのだ。


大きな愛は、

空のよう。


雨を凌ぐ者には、

傘しか見えない。


空を仰ぐ頃、

幼き魂は悟る。


あの人の優しさを。

愛の深さを。


いつか気づくと、

信じてくれた心の広さを。


涙浮かべ、

空を仰ぎ知るのです。