静寂とは、

とても贅沢なものだと気づく。


そして、

安らぎなのだと気づく。


宿泊させて頂いた家は、

フランクフルトから車で20分。


喧騒から離れた郊外。

鳥の鳴き声が響く。


朝はコーヒーとパンで、

取り留めもない会話をする。


窓から柔らかな日差し。

椅子に伸びる影。


夜は明かりを灯し、

おのおの好きな茶をすする。


今日あった出来事を、

冗談まじりでこぼし合う。


テレビの音も、

スマホや音楽もいらない。


静寂が、

何よりのご褒美。


月と太陽と、

雲と風と。


ささやきが聞こえる。

温もりが聞こえる。


こうありたいと願う、

いつまでもいつまでも。