ドイツでは、

犬連れの散歩人が多い。


「犬も歩けば棒にあたる」

否「人が歩けば犬にあたる」だ。


ホテルや電車、

レストランにショッピングモール。


様々な場所が、

犬同伴OKとなっている。


見る犬みな礼儀正しく、

スマートであり品がある。


「みななぜ良い子なんですかね?」

そう尋ねてみた。


すると、

驚くべき答えが返ってきた。


「日本では飼い犬を訓練所に預けますね?」

僕は頷いた。


「ドイツでは飼い主が勉強会に行くんです」

僕は目を丸くした。


盲点を突かれた驚き。

当たり前に気付かされた驚き。


犬を飼うのは訓練所の人じゃない。

人生を共に分かち合うのは飼い主だ。


なぜ飼い主が犬について学ばないのか?

訓練所に行かねばならないのは人間の方だ。


「キャンキャン」

日本で吠える犬をよく見かける。


寂しいのだろう。

愛されたいのだろう。


「ペット」と言う言い方を、

僕はあまり好まない。


共に生きる命。

犬も家族なのだ。


ドイツの人々の姿勢に、

命への敬意を見る。


学ぶべきは人間。

犬ではない。