花が咲くのも、

枯れてゆくのも花。


日照りを生きるも花、

雨を生きるも花。


人も与えられた、

季節を生きねば。


幼子は、

母の乳房を欲し。


少年は、

風の中を走るのを欲し。


青年は、

美しき海の煌めきを欲し。


成人は、

守る温もりを欲す。


いつまでも、

過去の愛に抱かれるな。


あの日々は過ぎた季節、

今は違う誰かが歩む道。


正しく咲いたなら、

正しく枯れるのです。


正しい夏を生きたから、

正しい秋を迎えるのです。


秋の木枯らしに、

蕾を求める虚しさよ。


過去に縛られ、

生きる者たちの多さよ。


老人は、

愛を手渡すことを欲し。


それぞれの季節に、

共にすべき心がある。


大小など関係ない。

正しい季節を生きるだけなのです。