100年前に、

生きていた人々が。


人生の意味を問い、

思い悩んだ苦労を。


私は知らない。

話すこともできない。


本に残されたとしても、

映像に残ろうとも。


きっと私の、

この思考なども。


100年後の人々は、

知らない。


まるでぼんやり灯る、

闇の中の街灯。


数メートル先は、

また闇が広がる。


僕らはそんな、

街灯の下にいて。


明かりが消えてしまえば、

きっと誰も忘れてしまうのだろう。


それが悲しいとか、

寂しいとかじゃなく。


静寂の海を見るように、

ただ耳を澄ますだけ。


街灯がともる。

夜の片隅で。


「僕ら」と言う、

今を照らし。