シンと静まり返った朝。

一人コーヒーを淹れる。


青白い部屋に灯すランプ。

ゆっくり立ち昇る香の煙。


まるで世界に、

最後の人間になったような。


物悲しさと、

満ち足りた何か。


早すぎる朝に目覚めると、

そんな孤独の贅沢を感じられる。


昔の人は、

日没には寝ていたのだろう。


太陽の明かり。

それだけを頼りに。


なんだか余計なものばかり、

身に纏ってきたような。


大事なものを、

置き去りに来たような。


そんな気がする、

青白い部屋で。


ずっとそれは、

手の中にあるような。


そんな気がする、

早すぎる朝に。