よくよく考えると、

不思議なことはいっぱいある。


その一つに思うのが、

「なぜ心臓は動くのか?」


電池が入ってるわけでなし、

プラグが繋がったわけでなし。


悲しい時も、

嬉しい時も。


それは絶えずリズムを刻みながら、

「生きろ生きろ」と血を送り続ける。


心臓が休む時は、

死の時だ。


天に召され、

この世にさらばする時だ。


そう考えると、

死はなんて身近なものか。


なんて繊細で、

なんて頼りない約束か。


そんな想いもよそに今日も、

真っ赤な血を吐き鼓動する。


「ドクン、ドクン」

何万回も、何億回も。


この世に生まれ落ちた理由。

それさえ超えた孤高。


僕の中にも、

誰の中にも。


燃える太陽のよう、

闇を引き裂く光のよう。


命がある。

この胸に、命がある。