心のキャンバスに絵を描く。

それが歌だと思う。


聴いている人の過去、

巡る想い、それが絵筆となる。


歌い手はシンプルであれ。

その絵を邪魔してはならない。


寄せて返す波のよう、

音色とリズムに呼吸を合わせ。


歌い手が心を込めるのでなく、

聴き手が心を込めるのだから。


ナチュラルに、飾らずに。

自惚れず、そして押しつけず。


絵描きが筆を置くまでの間、

そっと静かに待っている。


それが「寄り添う」と言うこと。

歌をうたうと言うこと。