映像で現在の地球の様子を見るのが日課になっている。

暗闇に浮かぶ青い星を眺めるだけで、心休まるからだ。
 
宇宙に興味のない方も、少しお付き合い願いたい話がある。
それは、地球はどのくらいの速度で動いているか?と言うこと。
僕らは感じないけれど、この星は猛烈なスピードで宇宙を飛んでいる。
 
まず地球は自転している。
クルクルと回りながら朝と夜を繰り返す。
そして、地球は太陽の周りを回っている。
これまではよく知られていることだ。
 
さて、ここから果てしないスケールの話になるので脱落せずに最後まで読んで欲しい。
この太陽を中心に回る星は地球だけではない。
火星や木星、月も土星もみんな一緒に回っている。
これを総じて「太陽系」と呼ぶ。
 
では太陽系は一定の場所にあるか?と思うが、実は太陽系も動き続けている。
回り続けていると言っても良い。
 
「天の川銀河」と言うものを聞いたことがあるだろうか?
そう、太陽系とは天の川銀河群のほんの一部でしかない。
天の川銀河群の中心には巨大なブラックホールがあると言われる。
このブラックホールがとてつもない重力を携え、他の星をブンブンと回しているのだ。
 
お気づきのように、太陽系も動き続けているのだ。
その速度をお伝えしよう。
なんと、秒速600km。
1秒間に600km宇宙を進み続けているのだ。
 
僕らはこのスーパースペースシャトルに乗っている。
動いていることが体感できないのは、動き続けているから。
もし止まったとしたら、僕らは宇宙に投げ出されることだろう。
 
不思議な気持ちになる。
恐怖心と共に、神なるものの手のひらにいる安心感も感じる。
永遠と今が混在した静けさを感じる。
 
何がリアルなのだろう?
僕らが「現実」と呼ぶ人間社会が、まるで空想に思えてくる。
実際、宇宙から見たらお遊びにしか映らない。
人が生まれ死ぬ。
それすらも、ただ風が葉を揺らすほどの些細なことにしか思えなくなる。
 
小さな僕ら。
けれど、その小さな物の積み重ねが宇宙になっている。
ちっぽけだと悲しむかい?
それとも、愛しいと微笑むかい?
 
僕はこの命の愛しさに賭けたい。
どんなに小さなものであっても、愛だと信じたい。
やがてこの世から消え去っても、再び生まれ変わる。
それは永遠の物語なのだと信じたい。