彼氏と別れた女性がいる。

悲しい気持ちなのだろう、雰囲気に覇気がない。
 
けれど別れは「ここから進もう」と思う者と、
「ここにとどまろう」と思う者が生まれた瞬間の出来事でしかない。
だから別れは決して悲しいだけのものじゃない。
 
生活環境が変わると訪れる出会い。
その影に同じだけの別れがある。
 
すがりつく者。
同情で冷めた愛を繋ぎとめる者。
涙ながらに背を向ける者。
また会おうと互いの道を進む者。
別れとは成長の代償であると共に、過去の自分との惜別なのだ。
 
彼と別れた女性は、僕のそんな意見に共感してくれた。
「新しいあなたになったから、別れが訪れたんだ」
 
逆に言えば、別れが長年ない人は自分を疑うべきかもしれない。
怖がりな自分はいないか?
変わろうとしない自分はいないか?
そして、隣にいる者への同情でそこにいないか?と。
 
本当の愛情なら、その人の逞しさを信じられるはず。
「私がいなくちゃ、この人はダメなんだ」
それは傲慢であり、ある意味上から目線の何様だと感じる。
 
愛ではない。
自分が変わることへの恐怖を相手になすりつけているだけだ。
 
別れは決して悪いものじゃない。
そこには未来がある。
そこには希望がある。
いいんだ、それで。
 
必ずあなたには次の出会いがある。
別れに”ありがとう”と言えばいい。
別れは出会いの始まりなのだから。