ギヨームブラック監督「リンダとイリナ」

 

 

最近見た映画はこれ

これは絆と友情についての映画で、私に人生の一部を差し出してくれた二人の若い女の子、リンダとイリナの知性と感性に多くを負っています。私は、この映画をとても誇りに思っています。
――ギヨーム・ブラック監督

 
フランス北部の町エナン=ボーモン。もうすぐ夏休みになる高校では、親友のリンダとイリナがTikTokを撮ったり、家族や将来の悩みを互いに打ち明けたりしています。しかしこの夏、リンダは引っ越します。リンダはイリナに心を開いたことで、別れは複雑になります。夏の始まりに心が沈む二人。彼女たちの友情には何が残るのでしょうか? 過ぎ去る夏の素晴らしい物語。
 
 
監督:ギヨーム・ブラック/撮影:エマニュエル・グラ/録音:エマニュエル・ボナ/編集:パオラ・テルミン
/音楽:パオラ・テルミン
2023年/フランス/フランス語/カラー/38分/1.33:1/5.1ch/ 原題:Un pincement au cœur/ 英題:Linda and Irina /字幕翻訳:高部義之
/配給:エタンチェ

Ameba映画部

ユーロスペースにて鑑賞。というか、ギョームブラックと言えばのユーロスペース。今日も9割型席が埋まっていて(平日の19時にこの席の埋まり方は異常です)ギヨームブラックへの関心は深まるばかり。『宝島』の時も書きましたが、なんかこの監督は癖になる感じ。カットとカットの繋ぎ方に独特のセンスが宿り、演技を区切ることなくコンパクトに世界を切り取る手腕に脱帽。あと光の使い方が映画的興趣が詰め込まれていて、やんわりと見るものを映画の世界に引き込んでいく。今回もドキュメンタリーなんかドラマなんか、はたまた青春なんか恋愛なんか、この手触り感も相まっていつも以上にギヨームっぽさが詰まっていた。観客も狐に摘まれたような表情をする人もいれば、自分の酸っぱい青春を思い出してやんわり泣いている女性なんかもいたりして… またしても新たなマイルストーンをこの監督は切り拓いたなあ。ああ、早く特集上映やらないかな。

 

※ギヨームブラック特集上映は8月です。