イルケル・チャタク監督『ありふれた教室』を武蔵野館で観てきました

 

久しぶりにどうしようもない嫌な気持ちにさせてくれる映画に出会いました。それは決して我々に関係のない話ではない。

主人公は小学校高学年の先生。とある問題を機にズルズルと日々の生活から思わぬ事態に引き摺り落とされるという展開になります。この女性はとても理知的で何も責める部分がない、ないが、周囲の人間たちは子供も含めてこの理知的でとてもよく出来た人間を奈落のそこへ突き落とそうとしてくる。どうして?なぜ?の連発に呆気に取られる暇もないくらい怒涛の嫌な展開。しかし物語が進むにつれてどんなことをしても解決のしようのない問題に直面し、「これどうしたらええん」と関西弁でギブアップをしたくなるくらい主人公に感情移入してしまう。そしてとんでもない方向へラスト向かって行ってしまう、、、、

繰り返すが主人公は非の打ち所がない「自分」に見える。この主人公に感情移入した時あなたは一体どんなことを考えるだろうか?

 

 

第73回ベルリン国際映画祭で上映されW受賞を果たしたのを皮切りに、ドイツ映画賞主要5部門受賞、アカデミー賞国際長編映画賞ノミネートなど、世界の映画祭を席巻。教育現場のリアルな現実に根ざし、世界中の学校やあらゆるコミュニティーでいつ暴発しても不思議ではない“今そこにある脅威”を見事にあぶり出す。現代社会の縮図というべき“学校”を舞台に描く、極限のサスペンス・スリラーが誕生した。

ある中学校で発生した小さな事件が予想もつかない方向へと進み、校内の秩序が崩壊していく様を、ひとりの新任教師の目を通して描いたサスペンススリラー。ドイツの新鋭監督イルケル・チャタクの長編4作目。

仕事熱心で正義感の強い若手教師のカーラは、新たに赴任した中学校で1年生のクラスを受け持ち、同僚や生徒の信頼を得ていく。ある時、校内で盗難事件が相次ぎ、カーラの教え子が犯人として疑われる。校長らの強引な調査に反発したカーラは、独自に犯人捜しを開始。ひそかに職員室の様子を撮影した映像に、ある人物が盗みを働く瞬間が収められていた。しかし、盗難事件をめぐるカーラや学校側の対応は、やがて保護者の批判や生徒の反発、同僚教師との対立といった事態を招いてしまう。後戻りのできないカーラは、次第に孤立無援の窮地に追い込まれていく。

主演は映画「白いリボン」やテレビシリーズ「THE SWARM ザ・スウォーム」で活躍するレオニー・ベネシュ。ドイツのアカデミー賞にあたるドイツ映画賞で作品賞はじめ5部門を受賞。第96回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされた。

 

2022年製作/99分/G/ドイツ
原題:Das Lehrerzimmer
配給:アルバトロス・フィルム
劇場公開日:2024年5月17日

オフィシャルサイト

 

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